本日2月4日はワールドキャンサーデー
世界中でがん克服をめざした啓発イベントが一斉に開催されます。
日本では汐留でのイベント「Light up the world」を中心に多くの行事が予定されています。
私もとある地方のワールドキャンサーデーのイベントで講演をします。
東京で何度かしている経営者のがん対策をテーマにした研修です。

ワールドキャンサーデーは「I AM AND I WILL」という、自分の立場とこれからどのようながん対策をするかを表明する場でもあります。
私のI AM AND I WILL は次のような感じです。



汐留のイベントは18時よりネット中継も行われるそうです。
https://youtu.be/TqI7ahcZ0_U
登壇者
宮本亞門(演出家)
 堀ちえみ(タレント) 
麻倉未稀(歌手) 
服部幸應(服部学園理事長) 
横倉義武(日本医師会会長) 
中釜斉(国立がん研究センター理事長)
垣添忠生(日本対がん協会会長) 
赤座英之(UICC-ARO Director)  
野田哲生(UICC日本委員会委員長)

詳しくはワールドキャンサーデーの公式サイトをご覧下さい。
https://worldcancerday.jp/

一ヶ月ほど前のニュースですが、ブログに書いていなかったことを思い出したので載せておきます。
以前よりたびたび書いてきた尿路上皮癌専用の分子標的薬であるエンホルツマブ・ベドチン(enfortumab vedotin)が昨年12月半ばにアメリカのFDAにて承認されました。
商品名はパドセブ(PADCEV)となったそうです。
日本では現在治験第三相を行っており、承認申請のための準備をしているとのこと。
キイトルーダやオプジーボ、テセントリクなどPD-1/PD-L1をターゲットとした免疫チェックポイント阻害薬の治療歴があり、かつシスプラチンなどのプラチナ製剤の治療歴がある尿路上皮癌患者にアメリカでは適用されるそうです。

詳しくはアステラス製薬のプレスリリースをご覧ください。
https://www.astellas.com/jp/system/files/news/2019-12/20191219_JP_1.pdf (PDF)
日本語でかなりわかりやすく詳しい説明が書いてあります。

何度もこのパドセブ(エンホルツマブ・ベドチン)について書いてきましたが、画期的なのは尿路上皮癌細胞のほぼ全てに発現している分子を目印に届けられ、くくり付けた細胞殺傷物質を放出して尿路上皮癌細胞だけを殺す抗体-薬物複合体(ADC)であること、そして高い奏効率(44%)や肝転移にも有効であることなどです。

さらにパドセブ(エンホルツマブ・ベドチン)はキイトルーダとの併用療法の治験第三相も現在計画中だそうです。
https://www.astellas.com/jp/ja/news/21626
今年の前半には国際共同治験第三相が開始され、日本の医療機関も参加するとのこと。

パドセブ単剤の承認申請やパドセブ+キイトルーダ併用療法の治験など、今年は尿路上皮癌患者にとってパドセブがキーワードになりそうです。
また、パドセブだけでなくFGFRをターゲットとした分子標的薬や免疫チェックポイント阻害剤の併用療法など新たな治療の承認や治験が今年はどんどん出てくるでしょう。
ステージ4まで進んでしまうとなかなか治療方法が少ない尿路上皮癌ではありますが、少しでも長く生き延びれば新薬が次々と出てくるフェーズまで来ています。
希望を捨てず頑張って生き延びたいものです。

今日は3か月ぶりの主治医の診察です。
事前に撮影したCT画像から再再発しているか否かを判定します。
早いもので、再発治療の化学放射線療法の開始から一年になります。
ここで引っかかってしまえば三年連続繁忙期を治療で過ごすことになってしまいます。

結果としては画像上の著変なしで、再再発の兆候は今のところ画像からは見えないとのことでした。
3か月後までまた経過観察です。
ただ血液検査でマーカー替わりに測定している抗p53抗体の値が基準値からケタ外れに高いままでした。
主治医によると尿路上皮癌と抗p53抗体の関係性はわからないことばかりなので解釈することができないとのことでした。
根治し損ねたステージ4の再発癌という難しいケースですのでまだまだ安心できませんが、4月初旬までは癌のことを心配せずに過ごすことができそうです。

無事CT検査をクリアできたため、安心して来月旅行に行けそうです。
パリのルーブル美術館で現在開催しているレオナルド・ダ・ヴィンチ展を見に行ってきます。
特別展のチケット自体は昨年11月に押さえていたのですが、今日の結果によっては無駄になってしまうのではと覚悟はしていました。(昨年中に会期全てのチケットが売り切れているようです)
仕事で対応している顧問先の社長さんがいよいよ在宅医療となり、旅行に行きたいが新幹線も飛行機も主治医から止められていて行ける場所が限られていると聞き、動けるうちに行きたいところに行っておいた方がいいのではと改めて実感したため、レオナルド・ダ・ヴィンチ没後500年記念の大型特別展を見に行くことに決めました。
最近はオンラインで海外の美術館のチケットが取れるので便利ですね。
ルーブルのサイトでがんがんチケットが売り切れていくのを目にして勢いで思わず取ってしまったのですが、無駄にならずに本当によかったです。
病院の帰り道でフランス語文法と会話の書籍を買いました。
学生時代にやったきり一度も使ったことがなかったのですが、意外と覚えていて驚いています。
最近はパリでも英語で行けるとは聞きますがよい機会なので少し勉強し直してみることにしました。

がん告知時にはまさか2020年に展覧会を見にパリに行けるなど思いもしませんでした。
このまま抗がん剤治療がずっと続いて、仕事と治療を繰り返すうちに1、2年ほどで死んでしまうのだろうと思っていました。
実際ステージ4の腎盂癌で、手術できるかどうかもわからないという状況だったので本当ならば今生きていない可能性の方がずっと高かったのです。
今後も再再発の可能性は高いため安心はできませんが、動けるうちに動いて行きたいところには行けるうちに行っておこうと思います。
明日から夢中になって働いて、旅行前までに色々仕事を片付けなくてはならないので大変ですが頑張ります。

あけましておめでとうございます。
今年最初のブログです。
今年もよろしくお願いいたします。

年末年始は例年通り八ヶ岳の別荘で過ごしてきました。
今年は雪が少なく冷え込みもゆるやかでした。
天体観測や景色を見に行ったり、散歩したり、DVDを見たり…と日常の喧騒を離れてリフレッシュしてくることができました。



新年ということで初詣にも行きました。
今年一年、何事もなく過ごせるようお願いしてきました。
なお今年も悪い結果が出るのが怖くておみくじは引けませんでした。

昨年に引き続き、境内の片隅にあるいぼ取りの神様もお参りしました。
いぼは正確には私のがんとは違うのですが、腫物繋がりということで取ってくれるのではと期待してお願いしたところです。
幸い昨年の一月から始めた化学放射線療法が有効でがんがぺしゃんこにつぶれたため、お礼参りにぜひ行こうと決めておりました。
立札の指示に従って石を供えてきました。
今年も経過観察が一日でも長く続いてくれればと思います。

 

さて、昨年生まれた初孫を記念して紅しだれ桜を植えたのですが、寒々とした雪の庭にしっかりと根付いていました。

よく見ると小さな芽をつけています。
春はまだまだ先ですが、桜たちは既に準備を始めているようでした。
桜の季節が待ち遠しいです。

久しぶりのブログです。
更新がないことからおわかりいただけるかと思いますが、今のところ再再発はしておらず、経過観察のまま新たな治療もなく過ごしております。
腫瘍マーカーがわりに測っている抗p53抗体の値が基準値からけた外れに高いことが気がかりですが、今のところ画像上は新たな転移もなく、特にやることがありません。

明日から例年通り八ヶ岳の別荘に年越しに行きます。
初詣もそちらで済ませようと思います。
昨年お参りしたローカルないぼ取りの神様にもお礼参りに行きたいです。

去年の今頃は再発確定で生き残りをかけてセカンドオピニオン巡りをし、年明けから化学放射線治療に入ると決定したあたりで生きた心地がしませんでした。
一昨年の今頃は抗がん剤治療の最中で、シスプラチンの副作用に苦しみながら、よく効いたら手術ができるという希望だけで踏ん張っている状態でした。
どちらも年明け早々に入院が決まっていたため、正月を心から楽しめませんでした。
今年は年明け早々の入院がありません。
それだけで幸せです。

この年末、がん闘病中の顧問先の社長さん達に電話したところ、みな何とか無事に年を越せそうでほっとしました。
経過観察に持ち込めた方もいますし、抗がん剤治療を終えて在宅ケアに入った方、フォースラインに突入した抗がん剤治療で頑張っている方、積極治療を止めてQOLを維持する治療を受けながらヨーロッパ旅行に行ってきた方、名医にめぐり会って転移巣を手術して現場復帰した方など、私の知っている範囲でもがん患者といえど様々です。
私も相当心配されていましたが、経過観察のまま年を越せそうだと伝えておきました。

それでは皆様よいお年をお迎え下さい。
来年もよろしくお願いいたします。