おもしろスゴイ発明04
~上野さんは恋に不器用~
今回取り上げる作品
「カガクチョップ」 漫画 カヅホ メテオコミックス 2011
「上野さんは不器用」 漫画 tugeneko ヤングアニマル 2015
「上野さんは不器用」 アニメ 上野さんは不器用製作委員会 2019
「発明BOY カニパン」 アニメ テレビ東京 1998
「うさぎパラダイス」 漫画 竹本泉 ホビージャパン 1992
「ポチっと発明 ピカちんキット」 アニメ テレビ東京 2018
「はつめいプリンセス」 漫画 くまがい杏子 フラワーコミックス 2007
「太一くんの実験室」 漫画 紫よりい フラワーコミックス 2017
「タトゥとパトゥのへんてこマシン」 絵本 アイノ・ハブカイネン&サミ・トイボネン 偕成社 2007
「恋するエジソン」 漫画 渡邉築 ジャンプコミックス 2012
「超発明 想像力への挑戦」 小説 真鍋博 講談社 1971
※ ネタバレ有です。ご注意ください。
「カガクチョップ」
女子高生で科学部部長の鈴園沙衣が作り出す、どこか不完全な発明品を、クラス委員長の長倉漣とただ一人の部員盛本(もるもと)さんが身をもってテストしてみる、というお話。
次に述べる「上野さんは不器用」と完全にタメを張っている感じの作品。こちらの方が先ではありますが……。
全77話プラスおまけというかなりな長さを、ほぼ発明のアイデアで乗り切っているのは評価できる。
気になる発明品は以下の通り。
〇 ピンポイント強力除湿器:ピンポイントなのがミソ。
〇 飲むと石頭になる薬
〇 空気を固めるスプレー:工夫次第ですごく役立ちそう
〇 スーパープレスマシーン:物体の機能を保ったまま平らにできる。
登場人物たちのグロい惨劇でオチをつけることが多いのがちょっと…。☆は3。
「上野さんは不器用」
某中学校の科学部を舞台に、部長である3年の上野が、発明品を用いて後輩部員の田中にモーションをかけまくるが……というお話。
発明品はほぼ全部、田中君にエロいお誘いをかける目的で使われる。田中君の反応に、イライラしたりキョドったりする上野さんのヘタレっぷりが見どころ。やっぱエロと発明は相性がいい。
いろんな発明品が気になるが…、まあその一部をご紹介。
〇 クマタンダー2号:謎の暗黒空間を操作できる。パンチラしても大丈夫。
〇 一七六防護服:普通の布みたいだがあらゆる衝撃を吸収できるという。
〇 II (あいあい)傘:頭上に反重力空間を作り出し、雨を寄せ付けない。
〇 ジゴスパッツ:日常動作などをそのまま電力に変える超発電衣服。
〇 コイツネートルナD錠:寝ながらも無意識に受け答えができる。
〇 インビジブルマ:お尻の下に空気の圧縮層を作り、その上に座れる。
〇 テデスコープ:装置を付けた手で輪っかを作ると望遠鏡に。これ好き!
今年晴れて10巻にて完結。おめでとうございます!☆は4。
アニメ「上野さんは不器用」
原作の勢い、おもしろさをちゃんと伝えたアニメ化だと思う。全3巻12話で、1話に付き2つずつのエピソード(実験)あり。☆は3の上。
「発明BOYカニパン」
発明家が一般的な職業と認められているシャラク星。少年カニパンは一流の発明家を目指して、日々奮闘するのだった……。
日常生活に普通にロボト(ロボット)が入り込んでいるような世界。科学はある面かなり進んでいる。
キャラは2Dのかわいい系が多い。名前も食べ物からとったものが多い(タピオカ、チュロス、パスタ、ヤキソバ等々)。お子様向けと言っていいが、大きい人たちでないと分かりにくそうなギャグも入る。
発明自体はあまり奇抜な物、画期的な物はない。発明のきっかけは依頼によるものだったり、トラブル解決のためだったりする。
「ひらめいた」や「こんなこともあろうかと」のセリフをよく口にする。
「発明は人の役に立つものでなくてはならない」という言葉が何度も出て来る。うん、そうでなくてはね!☆は3。
「うさぎパラダイス」
主人公の少年、苺谷苺太(読み不明、「いちごやいちた」?)の祖父は天才発明家で、彼も十分にその血を引き継いでいた。美世代ちゃんはそんな彼が大好き、彼の作ったトンデモ発明が引き起こすトラブルに今日も巻き込まれてしまうのでした…。
特にスゴイと思える発明はなし。お話としておもしろかったのは第5話「眠れぬ終末のうさぎ」。一日のほとんどを寝ている苺太君が、祖父の薬によって覚醒、その天才性をフルに発揮、ついに神の領域に入ってしまうというもの。
発明よりも苺太君と美世代ちゃんのほんわかLove模様の方がメインの作品。☆はまあ3の下。
「ポチっと発明 ピカちんキット」
ある日小学5年生の遠松エイジのところに、「ピカちん大百科」が届く。この本は商品カタログであり、エイジの「こんなことしたいな~」という思いに応え、それに対応した商品を未来のAmazonから取り寄せてくれる。その中身を組み立てることでキットは99%完成するのだが、残りの1%はエイジが自分で考え出さなくてはならないのだった……。
未来社会は便利になりすぎ、人類から「工夫しよう」「発明しよう」という心のエネルギー(ピラメキ)が少なくなってきたらしい。そこでその「ピラメキ」を補充するため、現代社会に「ピカちん大百科」を送り付けた、ということのようだ。
アニメの中の「ピカちんキット」は商品化されている(もちろん特殊な性能などはなく、大体は普通のプラモデル)。つまり、子どもをターゲットとした販促用のアニメだということ。
「ふりかけメーカー」はちょっと試してみたいかも?☆は3の下。
「はつめいプリンセス」
10歳にしてノーベル賞受賞の天才発明家の南しずかちゃんと、総理大臣の息子の和泉はじめ君とのラブいちゃ物語…。
しずかちゃんが発明家らしかったのは1話目だけ。後はうれし恥ずかしのいちゃいちゃを見せられるだけになってしまう……。
数少ない発明品「色メガネ」。これをかけると、映画の主役とヒロインがすべてはじめ君としずかちゃんに見えるらしい。
発明モノとしては、☆2。
「太一くんの実験室」
15歳で最年少ノーベル賞候補の葉加瀬太一くんは、幼馴染の同級生、超オバカの愛田なな美ちゃんが大好き。今日も今日とて太一くんはなな美ちゃんのおねだりに負けて、トンデモ発明をサクっと作ってしまうのでした…。
「記憶シュパッと消臭スプレー」:1プッシュで5分前くらいまでの記憶が消せる。使い勝手がよさそう。
ちょっと読むともうラブいちゃはいいです…という感じになってしまう。☆は2。
「タトゥとパトゥのへんてこマシン」
へんてこ村で生まれたタトゥとパトゥの兄弟が、毎日の生活がもっと楽になるようにと生み出したおもしろ発明を14個紹介する。
1個1個の発明が、漫画チックに、楽しく分かりやすく紹介してある。大人がおもしろがるにはもうちょっとだが、子どもたちには十分おもしろそう。
自分は「ミクロの世界おまかせ機」がよかった~。「ミニカーのナンバーをかく」とか「アリのセーターをあむ」とか……。超精密なフィギュアが作れそう。
「タトゥとパトゥ」シリーズってないのだろうか?☆は3の上。
「恋するエジソン」
「エジソンの知識すべてが詰め込まれたネジ」が頭の中になぜか埋め込まれている女子高生、松中スピカ。彼女は発明モードに入ると顔がエジソンそっくりとなり、トンデモ発明をちゃちゃっと生み出してしまうのだ……。
「エジソンの顔」は、どこかで見たことのある、しっかりおじさんとなったエジソンの顔。この変身?のシーンは最後までちょっと気持ち悪かった。
満腹光線銃や壁のシミの形を変えられる装置などがおもしろかった(使いどころはなさそうだが)。ほしいなと思ったのは、スピカの発明ではなく、脇役の天川秤(あまかわはかり)の作った枯れた植物を生き返らせるジョウロ。
ツッコミどころありまくりのオバカ発明がおもしろいです。☆は3。
「超発明 想像力への挑戦」
星新一の挿絵などで有名な、愛媛の誇るイラストレーター、真鍋博さんの発明アイデア集。
実現された&実現間近な発明品(一部だけ)
〇 レーザーによって照準をつける銃:米で1980年頃には実用化された。
〇 固型酸素:医療用に、魚等を元気にさせるためなどに普通に使われている。
〇 ■人TV:目の不自由な人のため、脳に直接映像信号を送る装置。実用化までもう少しのところまで迫っている。
〇 パーソナル把手:つまり指紋認証をするドア。今では珍しくもない。
〇 呼吸器:水の中でも呼吸できるというやつ。人口エラが実用化目指して開発中。
おもしろいと思ったアイデア
〇 光線ヨット:紫外線を避けながら進むヨット。
〇 食用書籍:食べて知識を吸収する本。いらない知識は…排泄します。
〇 耳栓ろ過機:有害音のみシャットアウトする耳栓。
〇 三次元鉛筆:すべて立体的に描ける鉛筆。
〇 滋養吸収装置有根靴:植物のように土から栄養を吸収できま~す。
今なお古びないトンデモアイデアやブラックユーモアにやられてしまう。☆は4の上。(今回はここまで)