印刷技術 機械の掃除 | 1級技能士・成田の印刷技術

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1級技能士・成田が、オフセット印刷技術を解説します~。

例えば、和食のレストランで料理を食べるとしましょう。私は偏食家で、

海老、蟹、貝が嫌いなんですよ。特に、海老と蟹の匂いは最悪に嫌いです。

でもね、野菜の天ぷらとかは大好きなので、よく注文するんですが、これが

質の悪いレストランだと、油に海老の匂いが染み付いてしまってるんです。

当然の様に大好きな野菜の天ぷらにも海老の匂いがプンプン。最悪です!

 

嫌いな食べ物の匂いって最悪ですよねぇ。私は大丈夫ですが、納豆が嫌い

って言う関西の方、ケッコウ多いですよね。出張先のホテルの朝食で納豆を

食べてると、「うわぁ~、腐ったもんの匂いがするやんッ!」とか言われます。

あと、鯖の匂いが嫌いな人は、徹底的に嫌いますよね。

 

これらも、「移り香」と言う物なんでしょうね。野菜の天ぷらに海老の匂いが

付いてしまう。もうこんなレストラン、二度と行きません(笑)。キッチリした

レストランだと絶対に、そんな事は無いんですが、これ、やっぱり清掃とか、

気づかいとかの問題なんでしょうか?まぁねぇ、海老を調理した直後の、

まな板で、何もせずに野菜を切ったら、匂いは付きますわね~。

 

これね、印刷も同じだと思うんですよ。例えばですよ、

 

 

 

こんなメチャクチャに汚い印刷機で、キレイな物を刷ろうっつったって、無理

だと思いません? これって何年間、掃除してない状態なんでしょうね?多分、

1年間とかのレベルじゃないですよね。ここまでの状態に成っても何もしようと

しない。その精神がね、こりゃもうアカンですわ。

 

パッと見て、明らかに「汚いッ!」って分かる所すら、全く清掃が出来ていない。

って事はねぇ、内部のローラーとか、ローラーホルダーや、その周辺も、インキで

ゴテゴテに成ってしまっている事が明らかですよね。そんな事ではイイ物は刷れ

ません。これって、野菜に海老の匂いが付くとかのレベルじゃないですね。

 

普通に正しく印刷していれば、こんなにまで印刷機が汚れる事はないんですよ。

湿し水をドバドバに多くして、インキもメッチャ大盛りして、インキを乳化させて

しまうから、ここまでの汚れに成ってしまうんです。こんな状況を見ても、清掃を

しようとしない、技術改善をしようとしない。そんな人にオペレータの資格は無い

って話ですわ。なんで、ここまでルーズな事が出来てしまうのかなぁ?

 

・・・実はね、これ決して大げさな例じゃないんです。関東地区の輪転機ってね、

まぁ、こんな状態に近いものがケッコウ多いんですよ。なんでこんなに汚いの?

って訊くと「いや~、会社が掃除の時間とか作ってくれないからさぁ~」と、口を

揃えます。いや、そうじゃなくてさ、汚さない方法を考えなよ!って言うと…。

 

「あッ!そうか!カバーの外側にまでインキが飛び散って見苦しいからカバーの

内側に紙でも貼って、インキが飛び散るのを防ぐか~!」・・・いや、そうじゃない

よねぇ~。なんで、あの手この手で、ごまかそうとするのかなぁ~。自分自身の

印刷技術ってヤツをシッカリ見直してみてごらん。水を絞る!って言う基本だけ、

キッチリやってやれば、こんな汚れは出ないんだからさぁ。

 

「水を絞ったら、いつ汚れるか分からんでしょう。あまり神経使って刷りたくない

からさぁ、水は多目の方が、気楽でイイよね」・・・関東勢は、なかなか手強い

ですわ。でもね、こんな事を続けていれば、いくら仕事が豊富な関東地区でも、

品質面でダメを出されて、他の地方に仕事が取られしまいますよ。水を絞る!

なんてのは、一番初歩の基本なんだから、シッカリやりましょうよ。