印刷技術 爪清掃ローテーション | 1級技能士・成田の印刷技術

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1級技能士・成田が、オフセット印刷技術を解説します~。

チョッとだけ、前回の続きです。

 

一口に、爪の清掃と言っても、爪って、メッチャメチャ沢山有りますから、

これを一度に全部やろうとするとスッゴく大変なんですよ。時間もメチャ

掛かるし、何よりも結構キツイ姿勢での作業に成ってしまいますから、

身体がもちません。(って、そりゃ年寄りのオレだけかな(笑))

 

そこで、清掃ローテーションってヤツを作るんですわ~。例えば国産の

印刷機なら今時はほとんど倍胴型式ですよね。1胴目に圧胴が2面と、

中間胴も2面有って、それぞれに爪が付いてますから、1胴あたりの

爪軸(爪がズラ~ッと並んでる軸)は、4本って事に成ります。

 

ひと月に1回、1胴づつ清掃して行くってのが楽だと思います。つまり、

1回の清掃で、圧胴の爪軸2本分と、中間胴2本分の、計4本ですね。

本当はね、毎月5日とか、15日とか、日にちを決めて実行出来ると

イイんですが、仕事の都合で、なかなか、ウマくは行かないですよね。

 

なので、少し余裕をもって、毎月、第1週目には必ず行うって事にする。

って事にしておけば、何とか成りますよね。・・・6月の第1週は1胴目。

7月の第1週は2胴目。と、順番にやって行けば、6色機でも、各胴、

半年に1回は清掃が出来ますよね。

 

あ、清掃の後は必ず、爪圧の確認調整をやって下さいね。紙を短冊に

切って、爪に挟んで引き抜く時の圧力を調整する。ってヤツね。これは、

各印刷機メーカーさんで、やり方が違うので、1度、指導してもらうと

良いかと思います。あと、爪の動きがシブく成ってしまっていないか?

ってのも充分に確認して下さい。これもメーカーさんで要指導ですね。

 

えっと、問題が一つ有ります。倍胴型式の印刷機って、全部、倍胴か?

って言うと、実はそうではないですよね。「単胴」の所が有りますよね。

標準的な国産倍胴機だと、スイング部分の爪と、次の第1中間胴は、

単胴ですよね。

 

例えば、1万枚、印刷したとしましょう。圧胴の爪と、中間胴の爪は、

倍胴ですから、1万枚刷っても、それぞれ、その半分の5千枚しか、

紙を掴みませんよね。だけど、スイングと第1中間胴の爪は1万枚

刷れば、1万回、紙を掴む事に成るんですわ。

 

と言う事は、汚れ方も倍だし、消耗も倍だと言う事に成りますよね。

ですから、単胴の爪部分は、他の爪の倍、清掃やメンテや給油が

必要だと言う事に成ります。この部分は、2ヵ月に1回のローテで、

清掃して行きたいですね。