印刷技術 ベアリング | 1級技能士・成田の印刷技術

1級技能士・成田の印刷技術

1級技能士・成田が、オフセット印刷技術を解説します~。

新型コロナのおかげで、デパートや大型スーパー等が休業と成ってしまい、

折込みチラシが激減して、B輪の方達が苦戦されていると伺いました。

特に名古屋のB輪は、パチンコ屋さんのチラシが多いので、パチンコ店の

休業は本当に厳しいですよね。・・・頑張りましょう!としか言えないですが、

何とか、この最悪の状況を乗り越えて下さい!

 

さて、今回は「軸受け」、カタカナで言うと「ベアリング」の、お話しです。

印刷機ってのは、ベアリングをメッチャ沢山、使ってる機械なんですよ~。

例えば各ローラーの両端には、ベアリングが付いてますよね。ローラーで

使ってるベアリングの量だけでも、ケッコウな数に成りますよね。

 

あと、フィーダーボードから紙を受け取るスイングの周り辺りにも、当然、

ベアリングが付いてますし、紙を受け渡しする爪、爪竿、なんて箇所にも、

必ずベアリングが使われています。そして、版胴とかブラン胴とか言う、

各胴の両端にも、メッチャ大きなベアリングが使われてますよね。

 

こうしたベアリングってヤツはね、多くの場合、必ず、消耗品なんですよ。

また、何らかの要因でベアリングが破損してしまった場合、ケッコウな確率で、

印刷機が完全停止してしまうような、大事故に成ってしまう事が多いんですよ。

 

例えば、爪軸部分のベアリング。定期的な給油が義務付けられている場合が

多いのですが、給油を忘れてしまっていると、紙粉等のゴミがベアリング内に

蓄積する⇒ ゴミの為にベアリングの稼動が重く成り加熱してしまう⇒ 加熱の

ためベアリングが稼働不能と成り破損する⇒ 破損した破片が胴に食い込む。

 

なんて事に成ると、高速で印刷してる真っ最中に、印刷機が、ガックン!と、

急停止して、その復旧には数日間、掛かってしまうなんて事すら有ります。

・・・ベアリングってね、ケッコウ、熱に弱かったりするんですよ。

 

例えば、印刷機のブロアーポンプに付いてるベアリング。ブロアーポンプって、

思ってる以上に加熱するんです。そんな加熱しやすい物が、風当たりの悪い、

ステップの下とかに格納されてると、熱が逃げずにメッチャ高熱に成ります。

 

そうすると、ベアリングの中に入ってるグリスが、液体化して流れ出してしまい、

潤滑油の無い状態で、高速回転に耐えなきゃ成らない事になってしまいます。

ただでさえ高熱なところに、潤滑油が無い。こりゃもう、摩擦で、もっと加熱して

しまって、あとは簡単に破損。・・・ですわね。

 

ブロアーポンプ系から、「カラカラカラ」なんて言う異音が聞こえたり、焦げた

ような異臭がしたりしたら、こりゃもう、そこのベアリングが、かなりヤバい状態

なんですわ。すぐに機械メーカーさんに相談して指示を受けて下さい。黙って

放置してしまうと、必ず、近いうちに、ポンプが停止してしまいます。

 

ベアリングは、それほど大きくない物が多いんですが、そいつらが行っている

仕事ってのは、印刷機にとって、非常に重要な事柄ばかりなんです。充分に

注意を払って大切にメンテしてやって下さい。