インキの顔料に関して「印刷馬鹿一代さん」がブログで書かれておられました。
めっちゃマニアックで私としては大好きな内容です 。 んでも、顔料ってナニ?
って方も多いだろうと思いますので、私の方は、初心者コースで(笑)。
顔料って例えば、古代遺跡なんかが発見されると、壁に描かれた壁画とかが、
見付かる事が有りますよね。 茶色っぽい服装の色だとか、黒い輪郭線とか、
色付けされた絵が出て来たりします。この茶色とか、黒色の、いわゆる絵具。
そんな古代に、どうやって、この、色絵具を造ったんでしょう?
茶色は、例えば岩とか岩石とかを砕いて、そこから色絵具を造ったんですわ。
黒色は、物を焼いたススだとか・・・。これらが最初の顔料なんです。何百年も、
数千年も前の色を、今でも何とか留めている。これが、顔料のスゴさですよね。
顔料の他には、着物など、布地等を染める「染料」ってのが有ります。染料は、
草花等から採ったりするので、色彩が豊かで鮮やかな色を出せるんですが、
染料は、水に溶けてしまうんですね。・・・水に溶けてしまう。こりゃ、湿し水を
使うオフセット印刷には使えませんわね~。
顔料は、水にも油にも溶けません。ですから、オフセット印刷インキで、色を
出しているのは、顔料なんですよ。最近は色々有りますが、大雑把に言うと
顔料ってのは、我々が使う、裏移り防止用のパウダーみたいな、粉です。
色付きの粉が顔料・・・。例えばこの粉を、インキ壺に入れたとしても、次の
ローラーへ運ぶ事が出来ませんよね。「運ぶ物」=英語で「Vehicle」って
書いて、例えば自動車の「RV」は、リクレーション・ビークルって言いますね。
印刷の場合は、ビークルではなく「ベヒクル」とか「ビヒクル」って発音します。
印刷インキのベヒクルは、油です。顔料を、油に混ぜて運んで行くって感じ
ですわ。んじゃ、インキの中の顔料成分って、どれくらいなの?って話なん
ですが、実は15%程度です。たった15%の顔料で色を出してるんですよ。
顔料ってね、無機顔料って言う、ほぼ自然界に有るような物だけでは、
色数が少ないし、色彩が鮮やかではないんですよ。そこで顔料屋さんが
目を付けたのが、色数が多くて、色彩の鮮やかな「染料」だったんです。
水に溶けてしまう「染料」を、何とか「顔料」にする事は出来ないものか。
・・・頭のイイ人ってスゴイですよね。白色の無機顔料を、染料で染めて、
染料なみの色彩を、顔料で出す事に成功したんですよ。
こんなふうに書くと、簡単な話に聞こえてしまいそうですが、インキが
化学合成物であるように、無機顔料を染めた物も、化学合成物です。
白色の無機顔料をベース(これを体質顔料って言います)に、染料系を
化学合成して出来上がったのが、有機顔料ってヤツなんですよ。
・・・こんなに乱暴に書いてしまうと、顔料屋さんから、お叱りを受けそう
なんですが、およそ、こんな感じ~ってくらいに、理解しといて下さい。