印刷技術 メンテと修理 | 1級技能士・成田の印刷技術

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1級技能士・成田が、オフセット印刷技術を解説します~。

先日、私の弟子(彼が私を師匠と呼ぶので、勝手に弟子にしました(笑))が、

「調子のいい時こそニップ確認」 と言う題名で、ブログを更新していました。

https://ameblo.jp/la37tecfnician/entry-12460982039.html

 

「まだまだ~」ってのが、彼の「決めセリフ」なのですが本当に、まだまだ~や~(笑)。

川名先生(小森コーポレーション)の 「予防保全」って本を読んでごらんなさいな。

調子がいい時にニップ確認をするのは、「当たり前」だって事が、よ~く分かるから。

 

調子が悪く成ってからやるのを、メンテナンスとは、言わないんですよ。チョッとでも

調子が悪く成ったと感じた瞬間に手を入れる事、それはすでに「修理」なんですわ。

メンテナンスってのはね、「修理を行わないために実施するもの」 なのです。

 

「ハインリッヒの法則」って、ご存知ですかね?私の「ミス撲滅セミナー」でも引用

させてもらってますが、1つの重大事故の背景には、29の軽微な事故が有り、また

300のヒヤリハットが存在しているってヤツです。ですから、重大事故を起こさない

ためには、300のヒヤリハットを無くして行けばイイって話ですわね。

 

川名先生は、この1つの重大事故を、印刷機の故障に例え、軸受けの破損など、

印刷機が、完全に停止してしまう故障の前には、必ず、印刷物の異常等が有り、

またその前には、異常音、振動、異臭、油やエアーや水漏れ、ボルトの緩み等の

異常が、必ず起こっている。と、説かれています。

 

そうした、最初の異常を見逃さず、大事故に至ってしまう前に対処して行くってのが、

「予防保全」ってワケなのです。そしてね、この小さな異常を見逃さないために、最も

大切なのが、「 5 S 」ってヤツなのですわ。整理・整頓・清掃・・・ そんな事がキッチリ

出来てれば、小さな異常も、すぐに分かりますもんね。

 

今回の、私の弟子、彼の 5 S は、本当に凄いです。いつ行っても、印刷機はピカピカ!

外から見える部分だけじゃなく、ステップを開けて覗いても、カバーを開いて見てみても、

どこにも、一点の汚れすら無いッ!ってくらいに、磨き上げられています。予防保全の

見本!って言っても、決して過言じゃないような使い方をしてるんですよね。

 

彼は、そこまでやっているから、いろんな事に気付きます。エアーシリンダーから異音が

出ている。だとか、ほんの少しの油漏れも、確実に発見して対応して行きます。おそらく

彼の印刷機が、故障で停止してしまうなんて事は、まず有り得ないでしょう。

 

そこまでやってる彼が、「調子のいい時こそニップ確認」って、そんな当たり前の事を

書くなッ!って話ですわ(笑)。・・・ある印刷工場、二直で24時間稼働しているのですが、

昼勤から夜勤への交代時に、水ローラーの手入れと、ニップ確認が、義務付けられて

いました。「万全な状態で、引継ぎをします!」って言う姿勢ですね。

 

調子が悪く成ってから行うのは、修理。

調子が良い時に行うのが、メンテナンス。

メンテナンスは、修理をしないために行う。

 

まだまだ~ (笑)