普通の印刷オペレータさんが聞くと、「はッあ~んッ!」って言うような、
チョッとおもしろい、お話を、ご紹介させて頂きます~。
ウチ(コスモテック)では、湿し水の濾過装置(ピュアネスクリーン)ってのを、
製造販売していまして、これは、なかなかのヒット商品なのですよ~ (^^)v 。
構造的には、湿し水を、筒状のフィルター(3種類)で濾過して、常に綺麗な
湿し水で印刷をして頂くと言うものです。
いつも解説しているように、印刷には「3大不安定要因」ってのが有りますね。
インキ、紙、水の三つです。インキは「温度」と言う要素で不安定に成り、紙は
「湿度」と言う要素で不安定に成る。そして水(湿し水)は、入り込んで来る汚れ、
・・・難しく言うと「夾雑物」ってヤツで劣化し、不安定に成るってワケです。
温度対策には空調、湿度対策には加湿器、そして、湿し水の汚れ対策には、
濾過器が必須アイテムと成っているのが、昨今の、ごく当たり前な、印刷環境
って事に成っているのですよ~。濾過器、まだ使った事の無い人は、是非一度
使ってみるとイイですよ。印刷品質の安定性が、抜群に成ります (^^)v 。
さて、このウチの濾過器を使って下さっている方から、ヘルプが入りました。
濾過器のフィルターに、紙が詰まってウマく行かないから、見に来て欲しい~!
濾過器のフィルターに、紙が詰まる??? なんで? 湿し水に紙が入ってる
って事かな??? なんで? どうして、湿し水に紙が入ってしまうの????
見に行ってみると、濾過器のフィルターに詰まってたのは、確かに、ボロボロに
成った紙の残骸でした。・・・こりゃ何でこんな事に成るかなぁ?普通、湿し水に
紙が入ることなんて、有り得ないでしょう。 ん!ひょっとしたら・・・。
この紙詰まりに気付いたチョッと前に印刷した物の、刷り取りとか、有りますか?
と、出してもらって、見たら、それはそれは、ヒドい印刷物でした。ベタはゴミだらけ、
非画線部に、ワケの分からん汚れが有ったり。・・・これを黙って納めたの?
いやまぁ、うるさい客じゃないので、納品したよ~。って、おっしゃいますが、これを
納品しちゃアカンでしょう。それに、なんで、こんなヒドい印刷に成ってしまったかは、
考えなかったの? 「まぁ、そのうち良く成るだろうと思って刷ってたわ~。」
これさ、インキローラーに、紙が巻き付いてしまってるって、分からないかなぁ?
その巻き付いた紙を、そのままにして刷ってるから、巻き付いた紙がボロボロに
成って、水ローラーから水舟、そして、濾過器にまで、行ってしまったんだよ。
印刷オペレータならね、紙がローラーに巻き付いた瞬間に分からなきゃアカンよ。
しかも、その後の印刷物を、こんなボロボロな品質にしてしまってるんだからさ、
即座に印刷を中止して、その原因を探さにゃアカンでしょうが。
オレらは、経験があるから、「ヤベッ!紙がローラーに巻いたッ!」って、一瞬で
分かるから、即座に対処出来るんだけど、いくら初めての経験だとしてもだよ、
これほどヒドい印刷品質に成ってしまったものを、「そのうち良く成るだろう~」と
何も対処せずに放置して印刷を続けたってのが、オペレータとして最悪やわッ!
チョッとでも異常が有ったとか、いつもと違うとか、変な音がするとか、そんな時は、
必ず、印刷を中止して、徹底的に、その原因を突き止めるって言う姿勢こそが、
機械を使うオペレータの、基本だよ。生産を停止して、原因究明するからこそ、
そこに経験値ってヤツが生まれるんだよ。
「そのうち良く成るだろう~」とか言って放置したんじゃ、経験値なんて、何も出来や
しないよね。長くやってる=経験値豊富。ではないよね。短い経験年数でも、必死に
一つ一つを探求し、悩みながらでも対応策を考え続ける事こそが、本当の意味での
成長に繋がるんだよ。 頭ってヤツはね、モノを考えるために有るんだよ。