印刷Q&A 印刷工場の作業着 | 1級技能士・成田の印刷技術

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1級技能士・成田が、オフセット印刷技術を解説します~。

●質問

 

印刷工場の管理をしています。あまり大きな会社ではありませんので、

今までは、統一された作業着も無く、自由な服装で作業をしていたのですが、

来期(4月)からは作業着を統一せよと言う事に成り、現在、どのような物に

するかを選考中です。参考までに、他社さんの作業着を見学させて頂いた

のですが、本当に千差万別で、ますます迷ってしまいます。

そこで質問なのですが、上着、ズボンは統一するとして、帽子はどうするか、

靴はどうするか等、ご意見を伺えると幸いです。

 

●回答

 

印刷工場の作業着って、本当に、千差万別で、おもしろいですよねぇ~。

今までで、一番おもしろかったのが、黒のツナギ服ですね。その会社さんは、

漢字二文字の社名なんですね。その漢字の社名が、黒ツナギの袖の所に、

オレンジ色の糸で、縦書きで刺繍されてるんですわ。こりゃねぇ、私らの

時代で言うなら、暴走族の特攻服ですわ~。

 

そんな特攻服の連中が、7人も8人も集まってる工場ってね、入った瞬間に

「スンマセンッ!」とか言って、脱出したく成ってしまいます~(笑)。

 

その真逆で、食品関係のパッケージ等を印刷してらっしゃる工場ってのは、

スゴイですよね。頭にはネットを被って、その上に帽子。上着もズボンも全てを

包み込んでしまうくらいの大きさでね。工場に入る時は、エアーシャワーを

浴びたり、粘着ローラーでゴミやホコリを取ったり。

実際に食品を作ってる、食品メーカーの工場と、同じような恰好ですよね。

 

印刷会社ってのは、完全に受注産業ですから、発注して下さるお客様に対応した

環境やら服装やらが求められます。食品のパッケージも、それを購入する一般の

消費者にとっては、パッケージまで含めて「食品」ですから、パッケージの印刷と

言っても、食品の一部を作ってるってワケなので、それなりの服装が必要に成る

ってことですよね。

 

さて、質問に対する回答ですが、問題は「必要性」だと思うんですよ。

作業着を統一していない印刷工場ってのは、世の中にイッパイ有ります。作業着

って、結構な費用が掛かりますから、必要を感じなければ、作らない方が良いです。

 

でもね、いろんな工場に訪問させて頂いていて思うんですが、やっぱり、統一された

作業着を着ている工場の方が、好感が持てますね。オンとオフの切り替えが、作業着

を着る着ないで、明確化されるんですね。

 

ただし、汚い作業着は、逆効果です。汚れても洗わない、破れても、新しい物が支給

されない。そんな古くてボロボロの作業着には不快感を覚えるのみです。そんな状態

ならば、作業着を無しにして、自主性に任せておいた方が、よほどマシかと思います。

 

帽子も、本当に必要性ですよね。印刷機を使ってると、ケッコウ邪魔なので、私は

個人的には嫌いですが、帽子が必要な意味を、全員がシッカリ納得出来るので

あれば、作っても良いかと思います。(私は嫌いですが(笑))。

 

靴はね、最近の安全靴って、ケッコウ軽い物が多いじゃないですか。あの軽い安全靴

ってのは、印刷作業には非常に適してると思います。印刷機械の周りってケッコウ

危険な箇所が多いし、紙やパレットの事などを考えても、安全靴って必要だと思って

います。(私自身が、けっこうドジで、足先のケガをよくしてましたので(汗))

 

あとは、作業着の色ですよね。絶対にやってはアカンのは、赤や青や黄色なんて言う

原色の色を使うってヤツです。色彩を扱う印刷工場で、これは絶対にNGですね。

 

とにかく、作業着を作るにあたっては、作るのならば、絶対に着用させるだとか、

着用の仕方とか、支給枚数とか、さまざまなルールをシッカリ作る事が必要です。

実際に、それを着る現場の人を始め、全員でシッカリ話し合って、充分に納得させ

ルール作りをして行って下さい。