●質問
先日、成田さんが書かれたブログ「工場環境」って言うのを読ませて頂きました。
当社も決して良い環境ではないのですが、油性の印刷機ばかりなので、何とか
やれて来たように思います。ただ、そんな当社にも、いよいよ、高感度UV機が
導入される事と成りました。この場合、やはり、工場環境には気を使わなくては
成らないだろうと思うのですが、環境改善には、どうしてもお金が掛かるので、
当社の社長を説得しなければ成りません。何分にも高感度UV機は初めてなので、
環境改善をしないと、どう成ってしまうのか?など、具体的なご助言を下さい。
●回答
いやいや、油性でも同じなんですよ。寒風が吹き込むような工場で、まともな物が
刷れてると思ったら、こりゃ大間違いですわ。もしも、その寒風を止める事が出来たら、
もっと湿し水を少なくする事が出来ますよね。湿し水が少なく成れば、乾燥が速く成る。
パウダーが少なくて済む。ツヤが良く成る。網点をはじめ、印刷品質が向上する等々・・・
確かにね、油性よりも、高感度UVの方が、水幅が圧倒的に狭いです。油性では
大丈夫だったレベルでも、高感度UVでは汚れが止まらなく成ったり、すぐに乳化
してしまったりと、まともな印刷に成らない可能性が大きいです。
あッ、汚れたッ!と思って、湿し水の目盛りを、一つ上げるとしますよねぇ。油性なら、
そんな事では、ビクともしませんが、高感度UVの場合だと、簡単に印刷濃度が下がって
しまうんですわ。こんな事が続けば、色ムラだらけの印刷物に成ってしまいますよね。
汚れた印刷物、濃度が低過ぎて淡く成ってしまった印刷物、色ムラだらけの印刷物。
そんな低レベルの印刷物を、御社の営業さんは、納める事が出来ますか?そんな物を
納めていて、御社のお客様は、御社に発注をし続けてくれますか?
今はね、高品質ってのは、最低限の絶対条件なんですよ。自社の存続のための品質。
その品質を守るための、工場環境の改善。・・・逆に言えば、工場環境の改善って事には
自社の存続、自社の命が掛かってるんだ!と言う事なんですわ。
ですから、「環境改善をしないと、どう成ってしまうのか?」と言う質問に対する回答は、
「会社が、潰れます!」と、そう答えたいですね。
「品質は一人一人が責任者」
「確かな品質 得られる信頼」
「選ばれつづける会社に!」
これ、当社(コスモテック)の社是です。首から掛けた社員証の上に、ワッペンが有って、
そこには、この社是が書いてあります。毎朝、朝礼で、この社是を全員で唱和しています。
品質のみの事を社是にしている会社は珍しいと思いますが、もの造りをしている会社に
とって、品質と言うのは、それほどまでに大切な物なのだと当社では、そう考えています。
品質が悪ければ、信頼を失い、顧客は他社に流れ、倒産してしまうんですよ。そして、
その、大切な「品質」は、一人一人が責任者なんですわ。
印刷物と言う、もの造りをしている御社にとって「品質」と言う物が、いかに大切なものか、
現場も営業も、そして経営者も、全社が一堂に集まって、真剣に考える場を設けてみて
下さいな。