●質問
印刷会社でDTPの仕事をしています。昔、何かで読んだんですが、
印刷物の網点を見ると、それを出力したDTP機器のメーカーが分かる。
との事でしたが、それは何を見て判断しているのでしょうか。
印刷の専門家である成田さんに聞くのは畑違いかも知れませんが、以前、
成田さんが「印刷物を見れば、それを刷った印刷機のメーカーが分かる」
とおっしゃっていたのを思い出して、聞いてみたく成りました。
分かる程度で結構ですので、教えて頂ければ幸いです。
●回答
ハハハ。全然違う分野の話ですが、ワインの「ソムリエ」っていますよね。
ブラインドテースティングって言うんでしたっけ、銘柄を隠したワインを
香りや味や、その他の情報を駆使して、銘柄は勿論の事、年号まで当てて
しまうとかってヤツですよね。
私が、印刷物を見て、それを刷った印刷機を当てるってのは、20年くらい前
までは百発百中で当たられたんですよ。各印刷機メーカーそれぞれに特徴が
有りましたからね。でも今は、完成度が高く成って、正直なところ7割くらい
しか当てられませんわ~。
んでもね、トラブルが起きてる印刷物は、9割くらいの確率で当てられます。
このトラブルは、あの機種では起きないとか、給水システムがこうだから、
こうしたトラブルは、あの機械だなって感じですね。
最近は、ある意味、製版系の方が分かり易かったりします。例えば30%の網の
形。普通は、丸いですよね。でもね、30%が四角に成るCTPメーカーが有るん
ですよ。これは非常に特徴的なので、どこのCTPだか一発で分かります。
あと、印刷した時に現れる「ロゼッタ」ってヤツ。25倍のルーペで網点を見ると、
4色の網点が集合しているのが見えるんですが、これが花柄みたいでキレイなん
ですよ。この、ロゼッタの形に、各メーカー特徴が有るんですね。
花びらのように並んだ4色の網点、その中心に墨の網があるのが、あのメーカー。
そこに何もないのが、こっちのメーカー。ロゼッタ全体の形が少し角張るのが
そっちのメーカーなんて具合ですね。
ルーペで網点をのぞいてると、いろんな事がわかるんですよ。特に最近は、
175線ばかりじゃなくて、200線を使ってる場合が多かったりするんですが、
175線の形をシッカリ覚えてしまうと、200線だけ見ても「あっ、これ200線だ」
って、判別が付くように成るんですわ。
違う物を二つ並べて、それをルーペで覗いて、どっちが200線ですか?って
聞いたら、こりゃ、ほとんどの人が当てられると思います。でもね、本物のプロは、
比較する事無く、一つだけを覗いて、200線だと判別出来るようでなくちゃアカン。
私の場合は、そんなふうに考えて、自分の眼を鍛えています。