印刷Q&A ローラー調整 | 1級技能士・成田の印刷技術

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1級技能士・成田が、オフセット印刷技術を解説します~。

●質問

菊半4色機を使っています。先日、ローラーのニップ調整を
していたところ、いくら効かせてもニップが太く成らない所が
1ヵ所有りました。こうした場合は、ローラーが細ってしまって
いると考えるのが良いのでしょうか。まだ、半年しか使っていない
ので、細ってしまっているとは、考え辛いのですが。
印刷機は、15年目の古い機械ですが、自分はこの印刷機を担当して、
2年目の新米です。分かり易く教えて下さい。

●回答

一つ、質問です。半年前にローラーを交換した時に、ベアリングは替えました?
ローラーの両端に付いているベアリングは、消耗品なんですよ。こいつが古くて
ガタが来てしまうと、ニップが安定しなく成ります。ローラーを交換するごとに
ベアリングも新品に交換してやって下さい。

ベアリングを新品に交換している場合は、そのベアリングをはめる時の硬さは、
どうでした?ダバダバのスルスルって感じではなかったでしょうか?
ローラーの鉄心が細ってしまうと、そう成りますよね。

この場合は、ローラー屋さんか、印刷機メーカーに相談してみて下さい。
ベアリングを付ける部分の軸が細ってしまうと、やはりガタが出てしまうので
これも、ニップが不安定に成る原因に成ってしまいます。

あとは、ローラーを印刷機に付ける部分。ローラーの両端にベアリングが付いて、
そのベアリングを機械に、はめ込む・・・。印刷機側から言うなら、ベアリングを
受ける部分、この部分を「ホルダー」とか言うんですが、このホルダーにガタが
出てしまっていると、これもアカンですね。修理が必要に成ります。

それから、ニップの調整箇所、ネジとかの、調整機構が壊れてしまっている場合。
これも、修理をしないと直りませんよね。あと、ホルダーへの固定部分なんですが、
金属製のベロのような物で固定する形式の物が多いかと思いますが、この固定部分が
シッカリ固定出来なく成ってしまってるって場合もアカンですね。

ダラダラと書いてしまいましたが、ローラーが細っていないと仮定した場合、
確認するのは、次の5ヵ所です。

① ベアリングが古くて、ガタが出てしまっていないか。
② ローラーの軸が細って、ベアリングがガバガバに成ってしまっていないか。
③ ホルダー部分のガタはないか。
④ ニップ調整機構の不具合はないか。
⑤ ホルダーの、ローラー固定部分の不具合はないか。

上記、5つのうち、一つでも悪いと、その悪い部分が、どんどん拡大して行って
しまいますので、早めに原因を突き止めて、きっちり修理をされるよう、お勧め
します。是非、早めに対応してやって下さい。