●質問
印刷会社で工務をやっております。
先日、当社の印刷機で刷った物に増刷が掛かり、社内がいっぱいでしたので、
他の印刷会社に、増刷をお願いしました。色調見本が、当社で刷った刷り取りに
成ったのですが、依頼した他社さんから、こんな刷り取りでは色調見本に
成らない。濃度が低いのに、網点が太り過ぎている。との指摘を受けました。
いろいろ説明を受けて、当社の印刷品質がダメだった事が分かったのですが、
普段の作業では、当社の物がダメだと言う事を、見極める術が有りません。
何か、普段から見極める方法は有りませんでしょうか。
●回答
おおっ、ずいぶん、お困りのようですね。
文面を読ませて頂いただけで、印刷物を拝見していないので、想像だけで
お話をする事と成ってしまいますが、今回のような「正しくない印刷物」って、
実は、世の中に、たくさん出回っているんですよ。
今回のお話しですと、濃度が低いのに、網点が太り過ぎているってことですが、
このお話しだけから推測すると、御社のオペレータは、かなりヘタクソ!と言う
ことに成ってしまいます。(失礼ご容赦)
1色刷りにしろ、4色カラーにしろ、網点を正しく刷れないオペレータは、
こりゃ、ヘタクソと形容する以外に、評価のしようがないんですよ。
濃度計などの計測器が無いとか、ドットゲインを測れないとか、いろんな言い訳を
されるかも知れませんが、究極的に言うなら、そんなもん、全て不要ですわ。
オペレータはね、ダメな物を見抜く「目」を持たなきゃアカンのです。
25倍のルーペが1本有って、良し悪しを見極める目があれば、他はいりません。
今回の失敗を、とても良い教訓にしてしまいましょう。他社で刷った正しい物と、
自社で刷ったダメだった物を、印刷に携わる全員を集めて、みんなで網点を
覗いて評価してみて下さい。
まずは、ルーペで覗いてみて、何が違うのか、どう違うのかを、事細かく、みんなで
意見交換してみましょう。一人の人には見えているのに、他の人には分からない、
なんて事が無く成るように、みんなで共通認識として理解出来るまで話し合って下さい。
こっちの網点は、形が、こんなんだけど、あっちのは、キリリとしてるね。とか、
こっちの網点って、何だか淡い感じがしない?とか、網点がボサボサしてる~とかね。
良い物と悪い物を並べて比較すれば、かなりの初心者でも、その違いが分かるんですよ。
こうして、正しい物を見極めるための目を作って行きます。
そして、自分達の印刷物には、何が足らないのか、何がどう成れば、キレイに成るのか
ってな事を考えて、実際に試して行くってワケですわ。
もし、どうしたら良いかが分からなかったら、まずは機械メーカーに相談してみて下さい。
それでも、納得が行かなかったら、また、是非、私に質問して下さい。