●質問
今年、高感度UVを導入しました。それまでは、全て油性で刷って
いましたので、増刷が来ると、高感度UVで、油性の色を出さなければ
成らないのですが、紅一色のベタ部分の色が、どうしても出ません。
油性に比べて、高感度UVの紅は、濁って黄色い感じに成ってしまいます。
なぜ、こう成るのでしょうか。改善策は有りませんか?
●回答
実は、私も、その件で苦労した経験が有ります。私の場合は、商品のラベルでした。
商品のラベルだから、色調的には、かなり厳しくて、その背景が紅のベタ一色だった
んですが、紅の色が、前回見本(油性で刷った物)と合わずに断念しました。
どうしても、油性の紅の鮮やかさが出ないんですね。おっしゃる通りに、濁って
黄色い感じに成ってしまうんですわ。私も、その理由と改善策を知りたかったので、
インキメーカーに電話して聞いてみました。すると・・・
UVの場合には「硬化開始剤」(紫外線硬化剤)と言う物を、インキの中に入れて
乾燥(紫外線硬化)させている。普通のUVの場合は、UVの波長域が広いので、
硬化剤の選択肢が有るのだが、高感度UVは、波長域が狭く、硬化剤は1種類しか
使えない。その硬化剤が、濁っているため、インキ全体が濁ってしまう。
と言う事なのだそうです。こうした理由で、あの、油性のような鮮やかな紅を出す
ことが出来ないんですね。また、こうした理由ですから、根本的な改善策はないです。
私の場合は、油性で紅のベタが有る物の増刷は、諦めました。また、新規の物は、
自分の高感度UV機で、校正刷りを刷って、それを見本にして頂くようにして、
修正なども、それを基準にしてもらってました。
高感度UVの色調は、やはり油性とは違います。その点をシッカリと把握して使う
ようにしないと、大きなトラブルの元に成ってしまいますよ。