●質問
厚紙専門の印刷オペレータです。普段は 0.40mm以上の厚い紙ばかりを
印刷しているのですが、先日、コート紙の 135kgを刷ることに成りました。
紙が薄くて、ツルツル滑るので積むだけでも大変だったのですが、
印刷を開始しようとした時、給紙が全くうまく行かず、2枚差しに成ったり
曲がって出たりと、散々でした。こうした薄紙をうまく給紙するコツとか、
何かないでしょうか。
●回答
ハハハ、135kg が、薄紙ですか。・・・まぁそうですよね~。厚紙の専門家から
言わせれば、135kgなんて、超薄い紙ですわねぇ~。
でもね、我々、薄紙の専門家から言わせれば、135kgは、厚い部類の紙なんですよ。
薄紙の方では、0.04mmなんて、本当に超薄い物まで刷らにゃアカンですから・・・
そっか!厚紙専門の人にとって、135kgってのは、我々で言うところの 0.04mm
みたいな感覚なんでしょうね。そういう事なら理解出来ますね。
例えばですねぇ、常に超薄い紙ばかり刷ってるオペレータは、0.04mmの紙でも
知らん顔で通してしまうんですよ。私でもイヤだなぁ~と思うような、腰の無い
クタクタの紙を、ヘッチャラな顔して1度も止める事無く、ビッシリと揃えて
刷ってしまうんです。とても素晴らしい技術力ですよね~。
ところがです!こうした薄紙名人の多くは、厚紙がヘタクソなんですね~。
もう、110kg程度の厚みで四苦八苦したりして、0.25mmなんて言ったら、
こりゃもう本当に青色吐息ですわ~。
要するにね、慣れなんですね。普段から常時刷ってる紙は慣れてるので、
さまざまなノウハウが蓄積できてるんですよ。フィーダーのセッティング自体も
普段刷っている紙が良く通るように出来上がってしまっているんです。
慣れない厚みの紙を刷るって事は、そのセッティングを崩さなきゃいかんワケ
ですから、これは、経験値の低さも手伝ってしまうので大変なんですよ。
厚紙と薄紙のセッティングで、一番違うのが、吸いエアーの強さです。
厚紙は強く吸わないと吸えませんが、同じ力で薄紙を吸ってしまったら、こりゃ
2枚差しの原因に成ってしまいます。薄紙はエアーを弱くして繊細に吸って
やって下さい。
他にもいろいろ違いは有りますが、とにかく第一歩はエアーを弱くすること。
そして、慣れることです。・・・とは言え、我々、薄紙屋も、厚い紙には、
なかなか慣れんのですけどね。