●質問
印刷機に付属されている「自走式」の濃度計で、色パッチを読み取らせて、
色出しや、色ブレの管理をしています。普段は増刷物など、これで管理して
何の問題もなく作業をしているのですが、先日、ブランケットを交換したら、
この濃度管理では、増刷物の色調が全く合わなく成ってしまいました。
ブランケットを通常とは違う銘柄にしたので、それが問題なのでしょうか?
普通なら、前回見本と濃度を合わせれば、ほぼ完璧に色も合っていたのですが。
●回答
そうですね。ブランケットを替えると、色調が大きく変わってしまう事が有りますね。
一番大きいのは、ドットゲインの問題だと思います。ブランの銘柄によっては、網点の
太り方が大きく変わってしまう事が有りますので、その点は要注意ですよ。
それとね、もう一つ、見てやって欲しい部分があるんですよ。
例えば、50%の網点を、25倍のルーペで見たりする事が有ると思うんですが、
そのルーペでね、ベタの部分も見てやって欲しいんです。
濃度計ってのは、ベタ部分の濃度を計測して、数値を出していますよね。例えば、
ちょっと極端な話をしてみましょうね。・・・墨ベタ部分の濃度を測ってみたら、1.70
だったとしましょう。でもね、その墨ベタ部分に、小さなヒッキ―(白抜け)が
有って、それに気付かず濃度を測ってしまったら、どう成るでしょうか。
濃度計ってのは、計測範囲内の平均濃度を出しますから、白抜けがそこに有ると、
本来なら、1.70のはずが、白抜けのおかげで、1.50とかに成ってしまったりします。
例えば、新しいブランで、ベタのツブレが悪かったとしましょう。・・・たまに、こんな
ブランも有るんですよ。網点はキレイなのに、ベタがガサガサしていて、25倍の
ルーペでみてみると、非常に細かな白抜けがバラバラと点在していて、全体的に評価
するとしたら、100%のベタではなく、90か95%くらいの感じに成ってしまって
いる。なんて感じのブラン。
こうした、ツブレの悪い、ガサガサした網点の場合、本来のキレイなベタなら、1.70
と言う数値に成るはずなんですが、細かな白抜けがイッパイ入ってしまっているような
場合だと、1.60とか、1.55なんて言う数値に成ってしまうんですよ。
基準値を1.70に設定しているので、1.60や1.55では、自動機が淡いと判断し、インキを
盛ってしまうってワケです。こうなると、色調的にはアウトですよね。せっかくキレイに
出ていた網点を無視して、ジャンジャン、インキを盛ってしまうんですもんね。
新しいブランケットに交換して、なんか変だな?と思ったら、こうした、ベタ部分の
着肉状態なども、見てやって下さい。