印刷Q&A 品質の見分け方 | 1級技能士・成田の印刷技術

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1級技能士・成田が、オフセット印刷技術を解説します~。

●質問

他のサイトで、成田さんが、単色チラシの品質について書かれているのを見ました。
僕も、毎日、単色のチラシを刷っているんですが、例えば、上質紙に金赤1色で
印刷されたベタなどは、どうやって品質の良し悪しを見極めればいいでしょうか。

●回答

そうですね。「なんとなくイイ!」では解説に成ってませんよね。
んじゃ、まずは、品質の悪い方から考えてみましょう。
上質紙に、金赤のベタを単色刷りしたチラシの場合で考えて行きますね。

悪い品質
①ゴミ乗り乗り(ヒッキ―)が激しい。・・・こりゃ一目瞭然でアカンですね。
②着肉不良。・・・インキのツブレが悪いってヤツです。インキが硬過ぎ。水が多過ぎ。
③汚れが有る。・・・抜き文字の埋まり。地汚れ。網点の絡み。
④ツヤ感が無い。・・・上質紙ですから、あまりツヤは出ませんが、なんか死んでる。

と、ここまでは、目視でも分かりますよね。あとはルーペで覗いた世界に成るのですが、
コート紙ではなく、上質紙なので、ルーペでの評価は、やめときましょうかね。

チョット厳しい表現かも知れないですが、二つの物を並べて見比べてやれば、どっちが
品質的に優れているか、この評価は、シロウトさんでも出来ると思います。例えば、
同じ金赤で刷られた、2種類のチラシを並べて、上にあげた4項目を比較してみるって
ワケですわ。・・・ああ、そう言われれば、こっちの方がイイね。てな感じですよね。

でもね、我々、プロは、1つの物を見ただけで、正しく評価が出来なくてイカンのです。
例えばですよ、今現在、チラシを印刷しているとして、その自分が刷っている物を
見た時に、瞬時で、良し悪しを判別しなきゃイカンわけですわ。

ああ、水が多いから絞ろう。とか、着肉が悪いからどうしようか?とかってのは、
何かと比較してとかではなく、自分が刷っている物、その1枚を見て判断が出来なきゃ、
こりゃ、悪い物を量産する事に成ってしまいますよね。

1枚を見ただけで判別が出来るようにする。自分の記憶を基に判断基準を作って、
的確に判断を下す。・・・そんなこと、最初から出来る人なんていないですわね。
毎日毎日、沢山の印刷物を見て、自分の目を鍛えていかなきゃ出来ない芸当です。
とにもかくにも、日々精進ってヤツですわ。