こ編集途中に新しいPCだから?2,3度文章が消えて、泣きながら(泣いてないけど)書きましたtasanです。まぁ、推敲、構成するのに時間を置いて見直すことは有意義なので、いいんですけど。いいんですけどー。強制は心の準備が・・。

余談でした笑

 

前回

 

通貨の信認(円安嫌い)が日本を円高不況にした | 経済はA+B+Cの足し算です

https://ameblo.jp/tasan-ame/entry-12377865726.html

 

ということで、通貨の信認、検証(突っ込み)シリーズを始めました。今回はその第2弾です。いかに現実を無視すると問題が噴出するかの話なのかなー、と思ってきたり(テーマが違)。

 

それはさておき、前回、通貨の信認を3パターンに分けて、記載させていただきました。それが以下です。

 

1.お金をがんがん作っては、円ドルなどのレートが安くなってしまって、円の価値が下がるからいけない。

2.国債をがんがん増やしては、政府の借金が増え、国民の不安をあおり、日本円が信用されなくなってしまうからいけない。

3.1.2.の結果、日本銀行経由で、政府に財源が確保され、財政出動されてしまうと、景気が良くなり、物価が上昇するので、通貨の信認が低下してしまうから、いけない。

 

1.は前回で説明済みです。今回は2.の話しになります。先に端的に結論を知りたい場合は

 

通貨の信認とは何か? | 日本の正義

https://ameblo.jp/stella-artois11/entry-11256212577.html

 

こちらのブログをご参考ください。非常に端的にまとまっております。私のはその行間をもっとわかりやすく明確にしたい、という方針で書いております。では本題です。

 

2.国債をがんがん増やしては、政府の借金が増え、

 

まず前半部分です。まぁ確かにその通りです。財務省の提示しているグラフを見ますと

 

このように、実額で見るとがんがん増えています。例えば、平成元年から平成20年で見ると、200兆円から600兆円に、20年で3倍になっています。しかし、何度も当ブログでは説明しているように、下記でもわかるとおり、経済の統計項目は前年比で連動しています。前年比で国債残高を見ると

 

 

政府の支出も混じっているグラフですが、まぁご覧の通り、実はぜんぜん減っているわけです。国債残高の減少に合わせて、政府の民間への支出も減少しているのがわかります。だから日本はGDPが毎年ゼロ成長。それに対してちょっとトルコを見てみましょう。

 

健全なトルコの財政状況

http://www.sjnk-am.co.jp/resources/d9/d9ffd7accd7806952b22e703c2304b6e.pdf

 

 

トルコ。政府債務がこの20年で政府債務が、、何倍でしょうね、スタート300億リラだとしても8000億リラくらいになっていて、26倍に増えております。しかしその反面、債務のGDP比は減少しています(一番いいときの1999年と変わらないまで改善)。つまり、国債もめっちゃ増えていますが、それ以上に収入が増えているって話です。

 

債務のGDP比が減少とは、どういうことかといえば、借金が収入の何倍あるか、みたいな話です。例えば、収入が20万で、借金が10万ある人なら、10 ÷ 20 = 0.5 = 50% みたいな。上のグラフはそれが30%あたりまで低下してきたと。

 

収入20万 で 借金10万 なら 50% ( 10 ÷ 20 )

 

しかし、今は借金が増え、それ以上に収入が増えている、という話ですから

 

収入30万 で 借金13万 だと 43% ( 13 ÷ 30 )

 

トルコはこんな感じで借金割合が低下しているんですね。桁は違いますが。

 

最初の50%なら、1年の50%、つまり、全額返済に回せば、半年で返済できてしまいます(あくまで単純計算の話)。つまり43%なら、1年の43%、つまり、全額返済に回せば、5か月ちょっとで返済できるようになりました。これは、借金自体が減ったわけではなく、収入が増えたおかげって話です。対して日本はどうでしょうか?

 

先のグラフで日本の国債の前年比は低いと言いました。しかし、低いからといって前年比0%だとしても、それは30兆円規模です。

 

平成30年度国債発行予定額

https://www.mof.go.jp/jgbs/issuance_plan/fy2018/yoteigaku171222.pdf

例えば、上のグラフで30年度の前年比を計算すれば

336,922 ÷ 343,698 = 0.98 = 98% 前年比 -2%

-2%になってしまいましたが、それでもH30は33.6兆円です。

 

つまり、国債の前年比は低いですが、それでも実額は順調に積まれるわけです。

というわけで、国債の前年比が低い・・5%くらい・・の日本はGDPが増えませんが、債務は増えていくという。つまり

 

収入20万 で 借金11万 だと 55% ( 11 ÷ 20 )

収入20万 で 借金12万 だと 60% ( 12 ÷ 20 )

収入20万 で 借金13万 だと 65% ( 13 ÷ 20 )

・・・

収入20万 で 借金46.8万 だと 234% ( 46.8 ÷ 20 )

 

これが日本の現状ですかね・・。つまり、国債販売が少なすぎて、収入が、GDPが増えない増やさない。しかし、国債販売はゼロではないので、30兆円づつ借金こと債務は増えていく、みたいな。これが

 

2.国債をがんがん増やしては、政府の借金が増え、

 

の現状です。それで、文章の続きが以下の通りでした。

 

国民の不安をあおり、日本円が信用されなくなってしまうからいけない。

 

まとめて分解

 

2.国債をがんがん増やしては、

政府の借金が増え、

国民の不安をあおり、

日本円が信用されなくなってしまう

からいけない。

 

つまり、借金が増えることが原因で、その結果

 

「日本って借金まみれの国でしょ?」

「日本円ってそのうち紙切れになるんじゃないの?」・・・(2.1.)

「怖くて日本円なんか持っていられないよ」・・・(2.2.)

 

ってことになるのかと思います。国民不安日本円への不信を表現してみました。

 

詰まるところ、2番目の通貨の信認とは、政府の財政状況への、国民の信認なんでしょう。

借金まみれがアウト!って言いたいわけですから。だから健全な財政状況を目指す!と。つまり

 

 

 

< 2.の通貨の信認 = 通貨発行元である、政府の財政状況が、健全であること >

 

まぁ、主張しているのは財務省ですけどね。最初の「借金がこんなに増えている!」とグラフを出しているのも財務省ですし。

 

そうしないと、日本円が暴落してしまい、日本円が紙切れになってしまい、、、そうなるとどうなるか?、、、日本円が紙切れなんだから、国内で使えなくなってしまい、どの店でも日本円での支払いを拒否してしまい、ドルとかユーロでしか、商品を販売してくれない状況に陥ってしまう!と。・・・タイヘンデスネー。

いやいや、本当にそういう国はあるんですけどね。通貨が2種類使える国で、片方が暴落しているとか。日本じゃまず想像できませんが。ひとつひとつ見ていきましょう。

 

「日本って借金まみれの国でしょ?」

「日本円ってそのうち紙切れになるんじゃないの?」・・・(2.1.)

 

先ほど、トルコが26倍に借金を増やした例を出しました。日本なんかまだまだです。それに説明もしたように、債務のGDP比を見るように、借金と収入の比率を見ないとダメです。しかし、現状、確かに、日本の債務は債務のGDP比が世界最悪となっています。

 

日本の借金と世界の借金:政府債務の国際比較

https://toukei-source.com/public-finance/government-debt/

 

ネットで探したら、2014、2015年のまでばかりで、たまに見つかる財務省のは2016年があったりしますが「ページが見つかりません」と削除されていたり、財務省YOUTUBEの動画も削除されていたり。もう興味ないんですかね笑 まぁ、日本が飛びぬけて悪い、というのを見てもらえればと思います。

 

しかし、グラフではないですが、2010年単独で、今度は対外債務を見てますと、実は次の通り。

 

【更新】日本の対外債務は? 世界の対外債務国ワースト20をグラフ化してみる(追補編) - ガベージニュース

http://www.garbagenews.net/archives/1197716.html

 

対外というのは、日本円ではない借金ということです。日本なら日本円を作れてしまうので。つまり、その国にとっての外貨での借金です。これは政府であれ、真っ当に返済しなくてはいけません。それ見ると、日本、めちゃくちゃ低いです。債務のGDP比は借金と収入の比率だったんで、日本は借金が非常に少ないか、収入が莫大なんですね。

また先日、三橋さんがブログにて、日本が27年連続、外貨量世界一、と記事にしたところです。そう考えると後者かなと思います。

27年連続「世界一のお金持ち国家」の意味 | 三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」Powered by Ameba

https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12379057215.html

 

というわけで、一見すると債務のGDP比が(とっくの昔に、既に、現状で)世界最悪!てなるわけですが、外貨では世界一金持ちだし、いったいいつになったら日本円は暴落するのか?暴落を連呼する人から、一体どこのくらいまで円ドルレートが下がるのか、聞いたことはありません。最近なら円ドルも109円の安めで安定しております。今が暴落状態?なわけないですよね。いつまでも具体的には考えず、借金と暴落という言葉だけに踊らされているのではないでしょうか。

また、第二次安倍政権になって以降、発言は迷走してますが、日本銀行は日本円をたくさん作ってくれるようになりました。

 

 

それでも円ドル109円です。前回話したように、他の国だって、大量にお金を作っているから、相対的にそんなにレートが安くなりすぎない、ってわけですね。安くなりすぎたら、それはそれで「通貨安で輸出攻勢かけて来てんのか?あぁん?」となります。

 

そして、それでも暴落する!と言い張りたい人は、なんともまぁ、財務省が、国債格付け会社S&Pが、不当に日本国債の格付けを下げたことに対して、反論の声明を出し、HP上に掲載している文章、こちらにも抗弁しなくてはいけません。財務省自身が2枚舌ってわけでして。

S&P宛返信大要 : 財務省

https://www.mof.go.jp/about_mof/other/other/rating/p140530s.htm

貴社はデフォルトを「約定日に金融債務を履行しないこと、及び当初よりも不利な債券の交換」と定義し、最近発表のレポートでは「改革が実施され持続的成長が回復してもデフォルトを回避するには遅すぎるかもしれない」としている。

 

しかし、このような想定は、日本のマクロバランスや国債の保有状況等を考慮に入れた場合非現実的であり、タイムスパンを明記しつつ、具体的にどのような事態が生じうるのか敷衍が必要。 次のような要素は貴社の分析でどう考慮されているのか。

 

(1) 日本国債は現在95%が国内でかつ低金利で消化されている。
(2) 近年自国通貨建て国債がデフォルトした新興市場国とは異なり、日本は変動相場制の下で、強固な対外バランスもあって国内金融政策の自由度ははるかに大きい。更に、ハイパー・インフレの懸念はゼロに等しい。

 

3. 貴社はソブリン格付けにおいては、財政指標以外にも経済構造等種々の要素を勘案しているとする。しかしながら、現実には、財政指標以外の諸要素がデフォルトリスクの算定にどのように勘案されているかについて、依然明確な説明がなされていない。

 

(2) マクロバランスとの関係では、貴社は「景気が回復し銀行の新規融資が増加し、金利が上昇すると財政赤字の削減は困難となる」としている。しかしながら、このような状況では、名目・実質双方の成長率が高まり、税収が増え、不良債権処理が促進されることから、むしろ財政再建を進める上では歓迎される。金利上昇の懸念のみを強調して、景気回復に伴うはるかに大きな効果を無視するのは適切でない。
 

詰まるところ、財務省も突っ込んでますが、日本円が暴落する、紙切れになる理屈がわかりません。

 

 

 

「日本って借金まみれの国でしょ?」

「日本円ってそのうち紙切れになるんじゃないの?」・・・(2.1.)

「怖くて日本円なんか持っていられないよ」・・・(2.2.)

 

どうぞ、そういう人はドルやユーロを日本国内で持ち歩いて決済に使ってくださいませ。・・・どこの店でドルやユーロで受け付けてくれるでしょうかね?そんな人はいないでしょう。これは仮定がもうありえないってわけで。自分で仮定したわけですが、、、「通貨の信認ガー」言う人の言いたいことは、このあたりかな?と類推してあげたわけですが、まったくもってただの空想でした。

 

しかし、例えばトルコならありえます。

 

トルコ・イスタンブールでの両替はクレジットカードキャッシングがお得 | マイル人

http://milezine.jp/turkish-lira-raised-in-istanbul-2110.html

トルコは10年ほど前までハイパーインフレの国だったので、トルコ人でもあまりトルコリラでの貯金をしません。銀行で利率の良い定期にするか、ドルかユーロといった外貨に替えておくかなどで、金や不動産で蓄えています。

日常的に現金を別の通貨に替える必要があるので、街の中のあちらこちらに両替所があります。旅行者にとって便利な環境です。

 

トルコはユーロに加盟しながら、トルコリラという自国通貨を維持しています。トルコリラで財政出動しているので、景気が良くなり、財政も改善しているのは先に述べた通りです。ただ、めっちゃトルコリラを作ったために、円安ならぬトルコリラ安になっています。今はそれほどじゃないですが、2002年あたりまで、毎年物価が1.5倍くらいになっていました。

 

通貨の信認が失われても高成長している国を見よ(No.99): 日本経済復活の会

http://ajer.cocolog-nifty.com/blog/2011/09/no-33ee.html

 

日本で100円のジュースが150円200円となっていくと考えればわかりやすいかと。これはさすがにやりすぎで今は10%くらいに。しかしそれが可能なくらい国民の賃金も上がってたってわけで。マイホームの借金でも何でもどんとこい状態。

 

しかし、今の10%維持の状態でも、ユーロと比べれば、トルコがまだまだリラを作っているので、すごいリラ安

 

東京新聞:トルコ通貨安でインフレ懸念 エルドアン氏、金融関与強化を示唆:国際(TOKYO Web)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201805/CK2018053002000149.html

というわけで、

 

トルコ2017年12月貿易収支と観光客数、トルコ経済は絶好調らしい

https://www.tryjpy.com/201712trade-balance/

 

まぁ、その分、輸入も激増して、トータルで赤字みたいですが、これ、毎年のことだし、内需の方がもっとでかいしと、

 

トルコ基礎データ | 外務省

https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/turkey/data.html

GDP 8,567億ドル

(1)輸出 1,426億ドル
(2)輸入 1,986億ドル
純輸出は-560億ドル、GDPの6%くらい

 

それに、もっと赤字が巨大な国がまわりにたくさんありますからね。トルコの輸出先の国の方がキツそうです。がんがん売り込まれて、輸入国の同業者が「やめてくれーーー」となりそうです。あれです、大手が安売りして、自らもダメージを負いつつも、中小小売りを駆逐しようとしている図です。

 

しかし、ユーロ圏の国は、関税がないので、関税でトルコ産を値上げして、自国の業界を守れず

 

だったらば、本来なら、トルコリラ安だけにならないように、同様に対抗して、自分の国もお金を作る、、、つまり、ユーロ圏なら、ユーロ通貨もたくさん作ればいいのですが、ユーロ通貨はユーロ中央銀行が作ります。しかし「各国の同意がなければ作らん!」なのでこの手段もボツ(縛りプレイ)。話がまとまるわけがないし、まとめるために時間がかかりすぎます。

 

縛りプレイってのは、ユーロしかない国同士では、通貨発行を自分の国でできないからですね。自分らで対抗手段を潰してるわけです。自縛プレイって言った方がいいかもですが。

 

というわけで。トルコは日本と同じようにエネルギーは輸入するしかない国で、だから輸入で赤字になっているわけですが、それでも経済全体を左右するほどではなく、容易に財政出動で景気を、GDPをコントロールできるわけです。日本なんか純輸出はGDPの1%規模なんですけど。もっとコントロールが容易なはず。。

 

トルコの賃金相場って、どうなっているの? 

https://blog.goo.ne.jp/tcg-turkey/e/c6a794b0a937e87d76fed3989b3811ed

トルコでは30年ほど続いているインフレに対する調整により、労働賃金は緩やかな右肩上がりに増加傾向にあります。また、トルコ労働法62条により、原則として労働賃金(賞与は除く)は前年の給与額を下回ってはならず、下げる場合は労働者の同意を得る必要があります。

 

 

 

< 2.の通貨の信認 = 通貨発行元である、政府の財政状況が、健全であること >

 

最後です。また、ここに戻りますが、政府の財政状況は最悪なんて言いますが、国民からすれば「日常生活が回っているんだから、政府の債務?なんか知ったこっちゃねーですわ」だと思います。現に、既に世界最悪と言う割には暴落していません。気にしているのは財務省だけです。国民の信認は関係ないです。

 

勝手に政府の財政信認に結び付けるな!って話ですね。先の財務省自身の文章にもありますが

 

(4) かつての英・米との比較についても、貴社は財政赤字の大きさの比較のみによって正当化しようとしているため説得的でない。

 

貴社は「ラ米危機前のIMFの役割は異なっており、主要株主(注:英国)がIMF資金に頼ったことをもって信用力が損なわれたとは見なかった」としているが、

 

>発言矛盾してるじゃないですか、という財務省の突っ込み。イギリスが、IMF(国債通貨基金)に、資金を頼ったから、外貨の借金増えてるやんけ、なんでそれで格付け下げないの?と。

 

ポンドに対する信認低下が深刻なため、英国が国際収支支援のためにIMF融資を申請したことは否定できない

 

>追いつめてます、財務省さん

 

また、当時の英国の高インフレ・高金利は現在の日本とは対照的であるなど、財政赤字の大きさのみに囚われると、経済全体への視野を欠くこととなる

 

というわけで、財政赤字のみで考えるんじゃない!とは財務省のお言葉ですめっちゃブーメランでザクザク刺さっているわけですが。一番最初のグラフをもう一度。

 

 

財政赤字のみで、増税やら社会保障やら、国債削減やらうんぬん理屈をつけているのはどこの省庁でしょうか。

 

次回

 

3.1.2.の結果、日本銀行経由で、政府に財源が確保され、財政出動されてしまうと、景気が良くなり、物価が上昇するので、通貨の信認が低下してしまうから、いけない。

 

こちらで締めたいと思います。

 

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----編集後記----

 

長くなりました・・。次回間に合わなかったら更新しません。一番簡単そうなテーマですがー。いやはや、突っ込みどころが非常にたくさんです。なんというか、最初から最後まで財務省劇場だったかもしれません笑