さて、しばらく時間が空きました。今回のエントリーについて考えていたからです。

通貨の信認について。

 

この言葉だけじゃ何を言っているのか意味がわかりません。しかし、結論から言えば、この意味のわからない言葉のために、日本経済はゼロ成長を続け、デフレ、不景気が続いております。この言葉が、政府の財源を制約しているからです。

 

今までの記事で説明した通り、経済はGDPの足し算です。政府が支出を増やせば、100%確実に経済成長できます。20、30年続いたデフレ、不景気も終わります。

 

ただ、その財源はどうするの?となりますが、そもそも日本円は日本政府が作っていました。今は機能分離して日本銀行が作っているだけです。だからそこから調達すればおしまいです。

 

江戸時代、徳川幕府からさかのぼって見ても、当時は小判などの貴金属経済で、新しく作る=財源でした。通常産出される貴金属で間に合わないときには、貨幣改鋳も行っていました。

 

貨幣改鋳

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B2%A8%E5%B9%A3%E6%94%B9%E9%8B%B3

貨幣量を増やす方法は、元禄改鋳を例にとると、金純度86パーセントの小判の金の含有量を56パーセントに減らしている。純分量が約3分の2に減ったことで、従来の小判2枚分の金で改鋳後の質を落とした小判を3枚鋳造できる計算になる。つまり、改鋳によって従来の貨幣量を約1.5倍に増やすことができ、その増えた0.5倍分の小判が幕府の益金となる[1]

 

260年の江戸時代、徳川幕府が終わり、明治政府となって紙幣経済に移行してもお金を作っています。というよりも、米経済、貴金属経済が、貨幣量の上限を更新できない、、、財源を恒常的に確保できないため、紙幣経済に移行したのではないか、という記事を先日書かせていただきました。ご参考ください。

藩札の規制と財政出動の実態 | 経済はA+B+Cの足し算です
https://ameblo.jp/tasan-ame/entry-12368279150.html

 

何はともあれ、明治維新の紙幣発行についてです。

由利公正(三岡八郎)をめぐるエピソード集

https://www.city.fukui.lg.jp/sisei/plan/renkei/taiga_drama_d/fil/yuri-episode.pdf

 

坂本龍馬

「総じて金銀物産等のことを論じるには、この三岡八郎 を置いて他に人はいないでしょう。」 

西郷隆盛

「由利公正の金札(太政官札)がなければ、維新はあと 数年かかっていただろう。」

勝海舟

「三岡がよろしいと言えば春嶽公も何も言わないだろ う。何しろ、自力で藩庫を潤した勘定役だからな。(「経 綸のとき」)より」

 

そして、明治時代の途中に、政府から日本銀行が機能分離し、設立されました。

 

松方デフレ

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%BE%E6%96%B9%E3%83%87%E3%83%95%E3%83%AC

松方は不換紙幣を回収・消却し、1882年日本銀行条例を公布して日本銀行を設立する。

 

というわけで、ここからは、現代と同じように、財源を政府に渡したいならば、

 

1.政府は国債を販売する

2.日本銀行は国債を購入する

 

という段階を踏みます。ということで、日本銀行の資産を見てみると以下の通り

 

お金の総量マネタリーベースが増加するのに合わせて、資産も増大しています。つまり、お金が作られただけ、日本銀行の資産はれんどうして増えています。さらに保有国債も連動していますから、作ったお金を国債に変換しているんだな、とわかります。

 

この何百年かの流れに「待った!」をかけるのが「通貨の信認ガー」になります。

 

1.お金をがんがん作っては、円ドルなどのレートが安くなってしまって、円の価値が下がるからいけない。

2.国債をがんがん増やしては、政府の借金が増え、国民を不安をあおり、日本円が信用されなくなってしまうからいけない。

3.1.2.の結果、日本銀行経由で、政府に財源が確保され、財政出動されてしまうと、景気が良くなり、物価が上昇するので、通貨の信認が低下してしまうから、いけない。

 

私もわかりやすく説明を試みますが、端的に素晴らしく解説させれているサイト様を見つけましたので、先に紹介させていただきます。

 

通貨の信認とは何か? | 日本の正義

https://ameblo.jp/stella-artois11/entry-11256212577.html

通貨の信認については、言葉が独り歩きするだけで、定義がないと言えます。経済議論で使われる時は、通貨の価値が維持される、即ち価値が目減りしない、インフレにならないという意味で使われているようです。

 

では、前置きが長くなりましたが、上記サイトと同様に通貨の信認についての説明です。

 

1.これはわかりやすいですね。例えば1ドル100円の状況があり、1ドルが100枚、100円が100枚ありました。しかし、日本は円を200枚に増やしました。しかし、円とドル全体の価値は同じなので、日本円が増えた分、日本円の価値が半分になります。つまり円ドルレートが1ドル200円に。

 

つまり、100円で1ドル買えていたのが、200円を出さないと1ドルを買えなくなりました。つまり、円の価値が半減したと言えます。だから

 

1.お金をがんがん作っては、円ドルなどのレートが安くなってしまって、円の価値が下がるからいけない。

 

となります。しかし、高度経済成長期の当初、1971年あたりから、固定相場制で円ドルレート360円から308円に切下げられ、そのうち変動相場制になり、今に至ります。なぜそうなったのかといえば、日本円が安すぎたため、アメリカからすれば、日本から安い商品が大量に入ってくるため、国内産業の商品が売れず、不況になってしまうからです。

 

つまり、円安だと、実は輸出が伸びるわけですね。円高だと、お金がある分、どんどん輸入がかさんでしまうと。これに対抗するには、関税を上げまくったり、国内産業に政府が助成金を出して、輸入品よりも安く販売できるようにしなくてはなりません。

 

そうしないと、国内産業が壊滅してしまいます。ちゃんとそう防衛したのがイギリスの保護貿易って話になります。

 

保護貿易 - Wikipedia

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BF%9D%E8%AD%B7%E8%B2%BF%E6%98%93

1690年には産業の保護のため、毛織物の輸入に関税をかけて、原毛の輸出を禁止した。この時代には連帯保護制度があり、製造業を保護する一方で、小麦をはじめとする穀物に輸入制限を設けたり、輸出奨励金の拠出を行った。穀物の輸出奨励金によって、イギリスは1770年代まで穀物輸出国となった。

 

つまり、国内を守り、外国より充分大きな産業が構築できたら、逆に外国の商品より安くして、相手国の産業を駆逐していくスタイルです。相手が防衛する知恵を持たない場合、成功してしまいます。例えばFTAにまい進する韓国が自分から関税下げに行ったり、TPPにまい進する日本とかですね・・。

 

というわけで

 

1.お金をがんがん作っては、円ドルなどのレートが安くなってしまって、円の価値が下がるからいけない。

 

これはむしろ、円の価値を下げて、輸出を黒字にする方がよい、と言えます。まぁ円高にして、外国の企業をM&Aで買い占めまくる政策もあるっちゃあるでしょうが、一部の人のためにしかならないし、多分超ひんしゅくを買うでしょうね。いろいろやばいことになりそうです。国内輸出産業も輸出が伸び悩んで、早くなんとかしないと死んでしまいます。

 

それにそもそも、お金を作っている国って、当たり前ですけど、日本だけじゃないんですよ。どこの国だってお金を作っているわけです。つまりは、日本がお金を100作る間に、アメリカがお金を200作っていれば、その分だけ、実はドルの価値が薄まり、円高になるってわけです。

 

お金の規模は増えていって当たり前なので、お金をあんまり作らない国というのは、実は勝手に円高になっていきます。だからといって、過剰にお金を作り、円安にすると、相手がめっちゃ輸出攻勢をかけられる形になるので「てめぇ、通貨安競争を仕掛けてきやがったな?」って話になります。というわけで現状を確認すると

 

マネタリーベース : 銀座線の踏切

https://ginzacross.exblog.jp/14006482/

円高ではなくて他国通貨安なのです。

 

向こうのサイトに合わせて大文字にしてみました笑

まぁそういうことです。外国がみんなお金を作っているのに、日本がお金を作らなすぎなんです。

それで2011年は円ドル70円台となり、大問題となりました。民主党時代ですね(棒

 

というわけで

 

1.お金をがんがん作っては、円ドルなどのレートが安くなってしまって、円の価値が下がるからいけない。

 

いろんな方面からして、この理由は整合性が取れません。却下です。机上の空論ってやつです。それに、第二次安倍政権になり、日本銀行総裁が白川さんから黒田さんに変わり、マネタリーベースは、お金はがんがん作られるようになりました。先ほどの図の通りです。

 

 

それでも、2018年5月25日現在、円ドルレートは109円というところです。100円割れの円高でもなし、かといって猛烈な円安にもなってないですから、ぼちぼちなんじゃないですかね。

 

長くなりましたので、2.3.は次回に持ち越したいと思います。どちらかといえば、最近の問題は2番になりますね!

 

1.お金をがんがん作っては、円ドルなどのレートが安くなってしまって、円の価値が下がるからいけない。

2.国債をがんがん増やしては、政府の借金が増え、国民を不安をあおり、日本円が信用されなくなってしまうからいけない。

3.1.2.の結果、日本銀行経由で、政府に財源が確保され、財政出動されてしまうと、景気が良くなり、物価が上昇するので、通貨の信認が低下してしまうから、いけない。

 

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----編集後記----

 

日本の正義ブログさん、他にもシェイブテイル日記ブログさんが書いているように、通貨の信認について検索しても公式発表がなく、皆好き勝手に書いているので、どう手をつけようか非常に迷いました。円ドルもあまり統計的に面白くないので手をつけていなかったのもあり。

 

ただ、ざっくりとでもまとめたり、とりあえず文章を推敲しているうちに、このあたりしかない、という点が見えてきましたので、見てくれる方に参考に使っていただけそうなネタもありましたので、とりあえずはよかったなぁ、と思いました。

 

脱線しすぎないように2,3週続けたいと思います。