Mommy マミー | 垂水のてるさんの釣りバカ日誌

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投げ釣りファンを増やすため神戸のアラ還釣りバカおじさんがポイントもコツも隠さずつぶやきます。

今日は神戸元町に出て、ミニシアターの元町映画館へ。


12:10の上映で『Mommy マミー』を観た。





和歌山毒物カレー事件のドキュメント。


林真須美被告が無実を主張する中、夫と知人へのヒ素による保険金詐欺の事実と、目撃証言とヒ素の科学鑑定から、死刑判決が確定する。


しかし、目撃証言には矛盾があり、ヒ素の科学判定も完全に一致していなかった。なおかつ近隣でもヒ素を所有している家があったにもかかわらず、調べられなかった。


「その話はもうしたくない」口を閉ざす近隣や事件の検察官や警察関係者。突破口を探ろうと焦りから、関係者の車にGPSをつけようとして住居侵入で逮捕される監督。


マスメディアの報道から林真須美が犯人に違いないと誰もが思っているが、果たして本当にそうなのか。


朝日新聞が林真須美は過去にヒ素で保険金詐欺をしていた過去を突きとめてスクープしたことで、警察の捜査もあらゆる可能性を探って消去せずに、犯人は林真須美で確定させてしまって、都合の良い状況証拠を作り上げたのではないか。


今まで何の疑問も感じていなかった、考えたくない疑問がよぎってしまう何とも後味の悪い映画であった。


特に、保険金詐欺の共犯をして逮捕された後、車椅子で不自由な生活をしながらも能天気な夫と、事件で人生が狂ってしまい、ほとんど家財道具のない部屋に住みながらも母の無実を信じる息子の対比がやるせない。


こういう考えさせられる映画もたまにはよいかな。