9割の社会問題はビジネスで解決できる | 垂水のてるさんの釣りバカ日誌

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田口一成の『9割の社会問題はビジネスで解決できる』を読了。





著者の田口一成はボーダーレス・ジャパンの社長で社会起業家だが、本書は起業家のサクセスストリートではなく、ソーシャルビジネスの指南書である。


ビジネスは本来ソーシャルや公共性から創業することが多いし、法人税を納めているだけでも社会性をもっているが、売上や利益、効率性を追求すると、多くの社会問題を生み出してしまう。


そこで今抱えている社会問題をビジネスのリデザインをして解決することを著者のボーダーレス・ジャパンは目指している。


ソーシャルビジネスが、既存のビジネスと異なる点は、ソーシャルコンセプト→制約条件→ビジネスモデルのステップで、常にソーシャルコンセプトを出発点としていることである。したがって、ビジネスモデルがうまくいかなかった場合は修正したり、まったく変えることもあるが、ソーシャルコンセプトを起点とした上での見直しである。


また、通常のビジネスの目標は売上や利益などであるが、ソーシャルビジネスの目標は社会問題の課題を解決するソーシャルインパクトである。したがって、仮にビジネスとして利益が出ていても、ソーシャルインパクトが達成できていなければ、見直しをしなければならない。


このため、ソーシャルビジネスは大きな規模にはなりにくいし、一つのビジネスでは数多くの社会問題を解決するインパクトは小さい。


そこでボーダレス・ジャパンはスモールビジネスを40社立ち上げ、これから年間100社の速度にしようとしている。


自分がこれからソーシャルビジネスを起業する可能性は低いが、消費者として社会のためになる商品やサービスを選ぶようにしたいし、巻末に書かれていた著者のモットーである「生まれた時よりも、きれいな社会にして死んでいく」は次世代以降への責任として心がけたい。