10.納棺と通夜 | 垂水のてるさんの釣りバカ日誌

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投げ釣りファンを増やすため神戸のアラ還釣りバカおじさんがポイントもコツも隠さずつぶやきます。

5/9(木)

 

父の通夜は夜7時からで、その前に納棺を終えなければならない。

 

朝9時前に車で堺の実家に行った。通夜に必要な遺影写真は、生前に父がこれを使ってくれと準備していて、葬儀会社の書類一式のファイルに入れてあった。

 

さらに、入院費用、葬儀費用のためのたんす預金のありかを聞いていたので、使わせてもらうべくいただいた。本人の死亡がわかると銀行口座が凍結されるので、その前に限度額内で何度も出金したという話をよく聞くが、てるさんは迂闊にも父から銀行カードの暗証番号を聞いていなかったので引き出せないのだが、たんす預金がほぼ入院費用、葬儀費用から四十九日までのお布施費用と同額だったので助かった。

 

その後納棺の際に入れてやりたい好きだったお酒やコーヒーなどを近所のスーパーに買いに行き、昼前に来た妹には父が好んで着ていた服を選んでもらった。その間に葬儀会社から渡された通夜や告別式の司会進行のための故人のプロフィール用紙を記入したが、親の結婚記念日や好きな曲など、知らなかったことが意外に多いことに気づき、生前に十分話をしていなかったと反省した。

 

昼前に遺影写真を葬儀会社に渡し、午後2時から納棺が始まった。

 

葬儀会社の担当から教えられて末期の水を取り、湯灌の準備をしてもらった。湯灌はまず葬儀会社にしてもらった後、てるさんと妹で仕上げをした。

 

その後、死化粧をし、死装束を着せた後に呼ばれ、納棺を行った。お棺の底に納棺茶と呼ばれる茶葉をまんべんなく敷き、さらに樒(しきみ・しきび)の葉を敷く。樒は強い毒があり、その毒が魔除けになるとされているそうである。その上に布を敷き、遺体を棺に納める。

 

 

 

納めた後、笠、杖、手甲、脚絆、草鞋、白足袋、頭陀袋、六文銭、数珠を言われた位置に置いていく。数珠は父が使っていたもので、それ以外は葬儀会社が用意してくれたのだが、なぜか六文銭だけがオプションで別料金であった。昨日の打合せの際には、三途の川を渡るのに必要なお金ということで、三途の川の通行料を葬儀会社が有料にするのに疑問を感じつつ追加したが、宗派の浄土真宗では、生前に信心をすれば、亡くなるとすぐに極楽浄土へ行き、仏になる「往生即成仏」の考え方のため、死後の旅路という考え方そのものがなく、六文銭はもちろんのこと、死装束が不要であることが後でわかった。最後に妹が選んだ、父が気に入っていた服を入れて納棺は終わった。正確な時間は忘れたが、末期の水から3時間ほどかかったように思う。




その後、妻と妹の家族が到着し、喪服に着替えた。


通夜の時間が近づき、住職が到着した。住職は生前に父が指定したお寺に昨日電話して直接お願いした。母の法要でお世話になっている住職で、父のこともよく覚えておられ、戒名を提案していただいたが、妹があまり気に入らず、てるさんが候補を出して無事に決定した。

 

通夜が始まると、てるさん夫婦と妹家族だけなので、気を使うこともなく、喪主としての仕事はほぼなくなり、参列するだけなので気が楽になった。不思議なもので、張り詰めていた仕事から解放されると悲しみがやってきた。30分ほどで法要は終わり、身内だけで弁当式になった通夜振る舞いを食べてお開きにした。

 

妹の子ども二人が今年高校生、中学生に入学したばかりで、中間テストが近いこともあり、勉強しながらおじいちゃんと一緒にいたいと言ってくれたので、寝ずの番は妹たちに任せ、てるさんは帰ることにした。


初めての喪主で慌ただしい納竿と通夜の一日はようやく終わった。