短歌2あかがねの太陽沈む青き影に充つ大阪平野灯火の三つ四つ気根を円状に包みゐし蘭科植物の花咲く父の帯状疱疹仏は常にみずからと知りたまひしか後白河院剃りたての頭見あげれば朱の柘榴の実のぞきゐてわが魂のごと裂けにけり岩垣のあひだに生ゆる歯朶の葉の触れて記憶をなぞらるるかな石濤の岩肌たるみてやはらかき毛のごとき卉生れにけり藻塩なすポンペイウスの首カエサル愕然としてうち眺めたり煉丹術錬金術に変はりたり駱駝の糞を燃やしつつをり秋なかば午前中しづかに翅音たて蜂たちが群がりくる木蓮の葉