※ちょっとネタバレあり
ちはやふる 下の句
鑑賞日: 2016年4月30日
映画館: 松江東宝5
好き度: ★★★★☆ 4.5/5.0点
「恋ともぜんぜん 違うエモーション」
「ちはやふる 下の句」、上の句が最高だったのでノリノリで観に行ってきました!
※私の「ちはやふる 上の句」の感想はこちら
てなわけで、「ちはやふる 下の句」ですが、上の句とはまたちがったベクトルで最高!!な映画でしたよ~!
やっぱりすごいぞ!松岡茉優!
上の句と大きく変わったところ、それは『松岡茉優』という存在。と、言うほかないなぁと下の句を観て思いました。松岡茉優の凛としたたたずまい、美しい方言、なぜか漂う大御所感のあるオーラ。上の句であれほど画面を支配した広瀬すずを、下の句で完全に松岡茉優が喰った!完全に画面支配していたのです。そして、この松岡茉優の存在感が映画のテーマをより強固なものにしていたと思います!「ちはやふる」とはどういう状態か、というのを劇中で舞妓はレディちゃんが教えてくれますが、まさに「松岡茉優」というぶれない存在と、ぶれぶれだった広瀬すずが文字通り「ちはやふる」ぶれない状態に進化し、そしてぶれない2つの正義がぶつかり合うのが本作のクライマックス!感動(´Д`)
「個」と「集団」の熱い戦い!
で、その2つの正義ってなんだ、って話ですが、これこそ今作のテーマでしたね。松岡茉優が体現するのは圧倒的な「個」のチカラでした。そして広瀬すずが後半で見つけラストバトルで体現するものは「集団」のチカラ。圧倒的な「個」と「集団」のアツイ闘いなんですよね~。で、ぶっちゃけ松岡茉優が試合には勝つんですが、広瀬すずは「集団」のチカラを得てさらに進化するんですよね。この映画、「仲間の力を得た者が孤独な天才を凌駕する」なんてありがちな甘い話ではなく、「個」も「集団」どちらも尊重しつつ、どちらが正しいか答えを出さないという上品な後味も非常に好みでした。
すーっと軸の通ったちはやぶる者同士の戦いは、とても崇高なものに見えて、見てるだけで涙が出てきましたよ。あの、最高にエモーショナルなハイタッチ、あんなのズルいよ!最高!
広瀬すずもやっぱりすごいぞ!
あと図らずも今作を観て、それこそ松岡茉優も出てる「桐島、部活やめるってよ」を想起したりもしました。なぜやってるのか?なんのためにやってるのか?その意味を追い求める「桐島」の東出くんの問答は、「ちはやはる下の句」でも誰もが対面する普遍的な問題だったし、見てる僕らもそうだったし、今もそうだと思うんですよね。僕もむかーし野球をずっとやってたのでわかりますよ。高校野球とか特にそうですよ。わかってるんですよね、甲子園には行けないということは。じゃぁなんでやってんの?とかすげぇ聞かれましたよw なぜか?、、これに対する明確な答えは2つでした。1つ目は「野球をするのがが好きだから」。そして2つ目は「こいつらと野球をするのが好きだから」だったんですよね。だから、この映画で広瀬すずたちかるた部が獲得する「集団」のパワーみたいなものにすげぇ感動したというか、懐かしくてね~泣きましたよ。(無論、野球部に広瀬すずはいませんが…)
青春のキラキラと、どこまででも行けるんじゃないか感、それこそperfumeの主題歌でのフレーズ「恋ともぜんぜん ちがうエモーション」を感じたあの時の、無敵だと思ってたあの時に戻りたい、そしてもう戻れない。。青春の刹那的キラキラとモヤモヤが詰まった、忘れがたい青春映画になっちゃったな~と、上の句/下の句を観て、思ったのでした。
おわり