※ネタバレあり
ちはやふる 上の句
鑑賞日: 1回目→2016年3月20日
2回目→2016年3月30日
映画館: 1回目→TOHOシネマズ六本木
2回目→松江東宝5
好き度: ★★★★☆ 4.5/5.0点
「続けてれば、きっとまた会える。」
「ちはやふる」原作は未読ですが、予告がおもしろそうだったので1回目は公開翌日に東京で観まして(ちなみに卒業式の翌日)、まぁ言っちゃうとあまりに素晴らしかったので新生活絶賛始まり中の最中、引っ越し先の最寄である松江東宝5という映画館で2回目を観てきました。(少なくともここから3年くらいはこの松江東宝5とTジョイ出雲が主戦場になりそう!上映予定作品にわりとショックを受けつつ…)
というわけで、「ちはやふる 上の句」、傑作でした!今年ベスト候補級に大好きな映画になりましたよ。
素晴らしすぎるぞ広瀬すず!
【良かったところ①】 映画的快感に満ちた『競技かるた』!
競技かるたっていう存在は知ってたんですけど、どんなものかは詳しくは知らなかった僕にとってこの競技かるたというものがものすごく魅力的に感じました。こう感じさせてくれた時点でもう映画化成功だろうと思いますが。なんといっても、競技かるたというものが、もう映画的快楽のカタマリのような題材で、あの音とダイナミックな動き、静寂から一気に勝負が決まるケレン味、めちゃくちゃカッコいいし魅力的に撮られていました。
一斉に戦う団体戦は特に最高!
1回目観た後にパンフレットを買ったんですが、その中に競技かるたのルールがいろいろ書いてあってめちゃくちゃタメになりました。ルールを一通り理解してから観た2回目は特に楽しめました。競技かるたってそもそもどんな競技?って話ですが、基本的なルールは読み手が読み上げる歌の上の句を聞いてできるだけ早く下の句の書かれた札を取りに行く競技。ざっくりと試合の流れを書くと…
①百人一首100枚の札を裏向けにしてよく混ぜる
②お互いに25枚ずつ取り自分の陣地に3段に分けて並べる
③残りの50枚は使わない札『空札』となる
④自陣の札を取ったら1枚減り、敵陣の札を取ったら相手に札を1枚送って自陣の札を1枚減らす
⑤自陣の札を早くゼロにしたほうが勝ち
…と、こんな感じ。しかもこれ使う札は50枚だけど、読まれるのは100枚だからいわゆる空札が50枚もあるんですよね。とんでもなく神経を使うよね…(´Д`) しかもパンフ読んで知ったんですが、審判は基本的にいなくて、どっちが早くとったかはお互いで判断するらしいですぞ!で、お互いが同時に取ったと認めたときは自陣にその札があった方の「取り」になるとのことで、さらに、読まれた札のある陣地であればどの札を触れてもいいんだってさ。だからまとめて札をどばーっと払ってたんですね。どれとったかわかんないじゃん!とか思ってましたがw そういうことだったのか!
その他にも、試合前に15分の暗記時間があってそこでどの札がどこにあるかとかを覚えようとか、物語のキーになる運命戦という超ドラマティックなラストバトルがあるよ~とか、囲い手っていう戦法があるとか、細かいルールやしきたりなんかがとにかく知れば知るほど魅力的だし、めちゃくちゃハードだなぁ!と驚きの連続でございました。ちはやが試合後に体力使い果たして寝ちゃうのも納得だよ!
しかもうまいのは、ちゃんと「歌」がストーリーを動かすうえで大事な機能を果たすという点がとても良かったですし、感動的でした。競技かるたという題材に対して、とてもまっとうな姿勢なのではないでしょうか。何より、観てるこっちが百人一首にちゃんと興味が湧くというのが、素晴らしいですね。キーになる歌をちゃんと載せてくれてるパンフレットにも拍手でございます。
【良かったところ②】 チームものとして素晴らしい!
チーム青春ものとしても素晴らしかったんですよね~。お話としてはけっこうオーソドックスなチームスポーツものとして進んでいくんですけど、ちゃんとキャラクターがしっかり立ってるし、ちゃんとチームもののツボを押してくれる感じが安心感がありましたし、なによりしっかりとしたつくりになってたと思いました。
こいつらをずっと観てたい感があったので100点のチームだと思います!
写真左から、肉まんくん、机くん、太一、舞妓はレディ、ちはや、ですね瑞沢高校かるた部。主に広瀬すずの可愛さとまっすぐさの力技で持っていくかるた部結成の前半から、中盤の合宿、そして後半の一難あっての結束力アップ、と、まぁほんとにお手本のような流れでしたし、無理のない必然性のある流れでした。机くんがああなる流れとか、すごくわかるなぁという感じ。そしてその机くんエピソードの落とし前が、まさにかるたの「歌」が現状を変えるという展開は鳥肌!よくできてた!
肉まんくんの憎めないカンジもよかったし、舞妓はレディの舞妓はレディ感もとてもよかったですよ!ぜったい確信犯的に「へい」と言わせてるところがあって楽屋落ち感に笑いましたw
【良かったところ③】 広瀬すずのアイドル映画としての魅力爆発!
正直、この映画の最大の魅力はここだと思います。とにかく広瀬すずの真空パック感ですよね。とてつもないアイドル映画としての強度がこの映画にはあったと思います!ある種オーソドックスなつくりの話をワンランク上の映画に持って行った大きな要因がやっぱり広瀬すずパワーだと思いますよ。
「海街diary」のときと真逆のようなキャラクターでしたが、こっちもめちゃくちゃハマってましたね。とにかく目が離せない、圧倒的引力が働いてる感じがして、そしてなによりめちゃくちゃ可愛く撮れてる。画面の光量がワントーン普通の映画より高め。この圧倒的キラキラ感がものすごくプラスに働いてますよね。序盤の太一とちはやが屋上で再開するシーンの、あの扉から広瀬すずが扉から出てきた瞬間のカット、そして一緒に舞う桜の花びら。あのシーンを見た時点でこの映画観てよかったなぁと確信しましたよ。
多用されるスローカメラも普通ならうっとなっちゃうところですが、ラストバトル後の広瀬すずが抱きついてくるところのスローなんか笑っちゃいつつもあの広瀬すずの顔一発でやられて、、はい、泣きました!
とにかく、この時期の広瀬すずを真空パックしたという意味では海街diary同様にアイドル映画として価値のある一本ですが、本作が海街diaryよりも価値のある点があるとすれば、広瀬すずに確信犯的にあざとカワイイ演技をさせたという1点だ!ありがとう監督!
【良かったところ④】 個人的にいろいろ重なった( ;∀;)!!
この映画、1回目は大学の卒業式直後の飲み会の4次会が終わった後、そのまま朝一発に観たんですよスーツのまま。このタイミングでこの映画を観たということがめちゃくちゃプラスに働きましたよ。
前もちょっと書きましたが、これから進む業界はまぁ狭いっちゃ狭いというか非常に専門性の高い業界でして、、大学で仲よく頑張ってきたゼミの同期や後輩もみんなその業界に進むんですよ。その、今後僕らが進む業界と、この映画の「かるた」がすげぇ重なっちゃってね~。ちはやの「続けてれば、またきっと会える」というまっすぐな眼を見てたら泣けて泣けてしかたなかったですよ。そうだよね!頑張って続ければまたみんなに会えるよね!と卒業式後、かつ4次会後のお酒がやっと抜けてきたかなくらいの僕にグッとこないわけがない内容でした。
なんか単純に頑張ろうと思えたというか。新生活絶賛始まり中で、友達もみんな日本全国で点でバラバラな状況だけど。また再会した時にもう一回り強くなった自分でいようと、チームちはやふるたちに自分を重ねていたのです。。いや~ほんとここまで重なるかなーという感じでしたね。百人一首というもの自体も、すごく今後僕らが進む業界に近いものがあるというか、意味合い的にもね。ほんと、大事な映画になっちゃったな~( ゚д゚ )
というわけで、「ちはやふる 上の句」オススメですよ!!下の句の前売り買っちゃいました。漫画原作映画&前後篇の2部作ものって良いものがあんまりなかったイメージでしたが、とにかく原作読みたくなったし、競技かるたに興味が湧いたし、映画の出来は素晴らしかったし、文句なしで大好きな映画になりました!
おわり
原作!超読みたいけど、ぐっとこらえて「下の句」を観てから読もうと思ってます
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