3/24(日) ロマンスは必然に | そんな感じ。 since March 28, 2005

そんな感じ。 since March 28, 2005

日常生活の中で、ふと感じたこと。

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2024年03月24日(日) 晴のち曇後時々雨

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韓国ドラマ「先にキスからしましょうか?(原題)~ロマンスは必然に~」をU-Next で一で見て、その後、このドラマの構想の元となったのではないかな~と思われる「蒟蒻ゼリー裁判」の記録を読んで、もう一回、ざ~っとドラマを見てみました。

2回目視聴で、脚本の緻密さ(脚本家ペ・ユミ氏)、主演のカム・ウソンさんとキム・ソナさんの演技の素晴らしさを、より実感しました。

そして、6年目、ムハンはソウル行きの飛行機に搭乗していたCAのスンジンンに「申し訳なかった」と謝っていたのね。

スンジンは何を謝っているのか、まったく分かっていなかったけど。

そんな事にも気がついた2回目視聴でした。

 

 

「ロマンスは必然に」は韓国で2018年2月20日~2018年4月24日に放映されたドラマ。

 

撮影当時、アン・スンジン役のキム・ソナさんは44歳、とソン・ムハン役のカム・ウソンさんは47歳でした。

 

【あらすじ】←おもっきりネタバレ

 

11年前、大規模墓地でソン・ムハンは娘を亡くし号泣するアン・スンジンを見かけた。

その翌年も、またその翌年も3年後もスンジンは泣いていた。

スンジンの娘は祖母が買い与えたゼリーを粉末のまま食べて誤嚥し死亡したのだ(11年前の2007年)。

スンジンはゼリーのメーカーを相手取って損害賠償請求を提訴するが、一審で敗訴。

 

8年前(2010年)、スンジンはゼリーの広告制作者を訪ねて控訴審での証言を求めるも相手にされなかった。

雨の中、車に乗り込もうとする広告制作者に「せめて嘆願書だけでも」と縋るが、男は振り返りもせず車に乗り込んで行った。

スンジンは男が落としていったペンを拾う。

 

6年前(2012年)、ムハンは膵臓癌と診断された。

ムハンは妻と娘がいるアメリカからソウルへ向かう機内で、CAのスンジンに会う。

乱気流に巻き込まれて、バランスを失い、ムハンの席に倒れ込んだスンジンは、このまま死ぬ方が残された者に迷惑がかからないとつぶやく。

そんなスンジンに家族写真を渡し、「燃やして欲しい」と頼むムハン。

ムハンの妻に男が出来ていたのだ。

飛行機を降りたスンジンは酒をあおり、雪が降り積もる動物園へ行く。

写真を返して欲しくなったムハンは彼女の後を追う。

そして、動物園のベンチで手首を切ったスンジンを見つけ、救急車を呼んで病院に運ぶ。

 

ムハンは膵臓癌の手術を受け、仕事を続けながら闘病生活を送る。

 

4年前(2014年)、ムハンは裁判所の入り口で、泣きわめくスンジンを見かける。

スンジンは不貞を働いた夫に怒りのたけをぶつけ、「離婚してやるわよっ!」と叫んでいた。

 

今年(2018年)の1月、ムハンは癌が肺、腹膜、肝臓に転移し、「ステージ4」で余命3ヶ月と医師に宣告される。

医師には4月までの命だと言われたが、ムハンは「5月にまた来ます」と言って診察室を出る。

 

墓地でスンジンをみかけてから10年の歳月が流れ、ムハンは広告会社の共同経営者で親友のファン・イヌから持ちかけられた見合いの相手の名前が6年前に機内で会ったCAの名札の名前「アン・スンジン」と同じであることから興味を抱き、「アン・スンジン」と会うことにした。

果たして「アン・スンジン」は、11年前から泣き顔を見かけてきた件のCAだったが、スンジンはムハンの事を何も覚えていない。

また、2人は同じマンションの上下階、501号室と401号室に住んでいたのだが、スンジンがその事に気がつくのは、しばらく後だ。

 

スンジンは裁判に負け続け、弁護士費用が嵩み、夫と別れた後も介護を続けた義父から譲り受けたマンションも競売にかけられ、CAの仕事も退職勧奨の対象となっており、借金取りからは腎臓を売却するように迫られ、まさに崖っぷちの状況だった。

元CA仲間だった親友で、またファン・イヌの妻であるイ・ミラからムハンは財閥の妻から受け取った慰謝料など莫大な資産があるので、結婚に持ち込んで、この絶体絶命の状況を抜け出すよう、激しくプッシュされる。

 

ムハンは自分が作ったゼリーのCMが端緒となり、スンジンの娘が亡くなったこと罪悪感を抱き、またスンジンが愛情ではなく、経済的理由で自分との結婚を望んでいると思い、余命1月となった自分の財産を譲る為にスンジンに結婚を申し込む。

 

ムハンとスンジンは一緒の時間を過ごすうちに、お互いに恋に落ちていた。

ムハンは8年前は保身の為に裁判で証言をすることを拒んだが、今はスンジンの為に裁判所に無記名で嘆願書を提出し、最高裁が廃棄差し戻しを決定し、再審が決まった。

 

スンジンはムハンが使っているペンと8年前、広告会社の前で拾ったペンの種類と、彫られたイニシャルが同じものであることに気付き、ゼリーのCMの制作者がムハンであり、証言を求めて縋る自分をけんもほろろに去って行った男であることに気付いた。

 

何も知らないムハンが作ってくれた食事を吐いてしまい、全身でムハンを拒絶しつつ、余命短いムハンを再審裁判で証言させる為に一緒に住み続ける。

 

お互い復讐なのか、愛なのか、愛情なのか、屈辱なのか、一人で死ぬのが恐いから一緒にいるのか、側にいて欲しいだけなのか、錯綜する感情の中、相手を思う気持ちを否定しきれない。

 

再審裁判の日、ムハンは証人として現れるが、スンジンの担当弁護士が相手企業から夫の収賄疑惑をネタに脅され、出廷しなかった為に、次回期日が5月16日と宣告される。

 

23話と25話の裁判の後、二人が6年前に行った動物園を再び訪れるシーンがとても良かった。

 

スンジンはムハンに出廷してくれたお礼を言い、誰一人として味方がいない中で、まわりからもう諦めるように散々言われながらも、勝ち目のない裁判を続けたのは、唯一自分の言うことを聞いてくれる場所が裁判だったからだと言う。

その裁判までも終わってしまった6年前の雪の動物園で、寂しさから娘のそばに行こうと手首を切ったのだと語る。

病室で、誰かが「あなたのせいじゃない」「あなたは悪くない」と言ってくれた、その言葉で慰められたと言う。

 

ムハンは、6年前、スンジンを無視したこと、口をつぐんだこと、自分がガンでくたばるとも知らないで保身しか考えなかったこと、心から後悔している。

スンジンを思い出すたびに胸が締め付けられ、ずっと心残りだった。

許してほしいと思っているというムハンに、許してあげるから、私のそばにいてというスンジン。

そして、6年前に病室で聞いた「あなたのせいじゃないの」「あなたは悪くない」という言葉をムハンに言いたいと思い、「本当は、罪悪感なんて捨てて欲しい」と伝えたかった。

 

この後の展開は、ドラマをご覧下さい。

生きていることのありがたさ、大切な人と一緒にいられることの幸福、自分自身のあり方を変えれば人生を豊かにしていけるという希望が感じられました。

 

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カム・ウソンは演技が達者で、嫌なやつを演じれば、ホントにヤナやつにしか見えない。

8年前、CMプランナーとして賞をいくつも受賞して、得意の絶頂だった頃のムハンはホント、いや~な感じ~。

両耳にピアス付けて、カラコン入れて、ピンクのルージュをつけたムハンは、その後の渋くて知的なムハンとは全然、別人。

 

ドラマの”粉末ゼリー女児窒息死事件”は粉のまま食べるなという警告文はなかったという設定だから、証言さえれば勝ち目はあったのかもしれない。

 

 

ムハンとスンジンが訪れた韓国南東部の鎮海(ちね)は、36万本の桜が植えられ、毎年、「軍港祭」が開催されていることを、このドラマを見て初めて知りました。

日本統治時代に、鎮海全域に桜の木を植えたそうです。

ドラマでもいたる所に桜が映っていました。