真夜中の五分前 ~深夜前的五分钟~ | そんな感じ。 since March 28, 2005

そんな感じ。 since March 28, 2005

日常生活の中で、ふと感じたこと。

関心したこと。

その時の感性のおもむくままに気ままに書き留めています。

2015年01月12日(月) 晴れ


20150107_真夜中五分前2


映画館でもらったポストカード。

中国語版ポスターと同じデザインらしい。

時計の針が零時五分前を指しているデザインがいい。

【あらすじ】


上海の古い時計店で時計の修理士として働く良(=三浦春馬)は、プールでルオラン(若藍)に出逢う。

ルオランには双子の妹・ルーメイ(如玫)がいて、結婚祝いを選んで欲しいと頼まれる。

双子の姉妹は趣味がまったく同じなので、他の人のセンスで選んで欲しいというのだ。

良は自分が働く店の古い置時計を勧める。

後日、ルオランとカフェで逢うが、席を外したルオランが戻ってくると「鈍い(遅鈍)わね。」と良に言い放つ。

言葉の意味も、状況も理解しかねた良が「“遅鈍”って何?」と尋ねると、そこにもう一人のルオランが現れる。

ルオラン、ルーメイ姉妹はこうして入れ替わって楽しんでいたのだ。


ルオラン・ルーメイ姉妹とルーメイの婚約者・ティエンルン(天倫)、良の四人で遊びに行く。

ルオランとルーメイは仲が良いようで、姉のルオランは活発ですべてを自分のものにしていく妹を羨んでいて、妹は姉の才能に嫉妬していた。

最初にティエンルンに出逢ったのはライターをしているルオランで、ルオランはティエンルンをルーメイに奪われたと思っていた。

性格以外、顔かたち、趣味、嗜好が似ている妹を自分の分身のようにも、疎ましくも感じていた。


良はかつて恋人を亡くし、それ以来、自分の殻に閉じこもっていた。

時計を五分遅らせていた恋人の習慣をひきずり、自分の部屋の時計を五分遅らせていた

同じ空虚な感情を共有する良とルオランは少しずつ、お互いの距離を縮めていく。


結婚を前にしたルーメイとルオランは姉妹でモーリシャスに旅に出るがクルーザーが転覆し、一人が亡くなり、一人が生き残る。


生き残ったルーメイとティエンルンは結婚するが、実は姉のルオランがルーメイになりすましているのはないかという猜疑心に際悩まされる。

ティエンルンは良にルーメイに逢って、本当にルーメイかどうか判断して欲しいと頼む・・・。


【感想(ねたばれ有り)】


元々顔かたちが同じなうえに、趣味嗜好まで同じな双子姉妹が、入れ替わりゲームをやりすぎて、互いのアイデンティティまでごっちゃになってしまっというお話でした。(って、違うか。)


姿形が同じ姉妹に恋をしたティエンルンと良は、それぞれの人間性とか、内面に惹かれたと感じて恋愛していた筈だけど、双子姉妹はお互いの出来事を綿密に報告しあっていたってことだし、なりすまされたらワケわからんわな。


それで感想、終わっちゃうわけだけど、事故の後、生き残ったのはルオランだか、ルーメイだか、いまだよく分かってなくて、狐の霊に取り憑かれたような奇妙な感覚が残る映画だった。


ティエンルンが洋服をプレゼントしたことを覚えていなかった時は、やっぱりルーメイなんだ・・・と思ったけど、最後のちゃんと時間を合わせた時計を良の部屋に置いて去って行くのは、ルオランだと感じた。

良の時計を五分遅らせる習慣について知っているのは、ルオランの方だし、その習慣を知った頃には、ルオランとルーメイの間には溝ができていたから、その話はルーメイに伝わっていないような気がするのだ。


他にもエピは沢山あったけど、映画の最初から、双子姉妹の名前が似ているように感じて(実際は最初の“ル”しか同じじゃないけど。)、名前すらしっかり憶えられていなかった私は、ゆるい展開の話なのに、しっかり話についていけてない部分もあって、大切なキーワードを見逃しているのかもしれない。


この映画はそんな奇妙な錯覚と、映像美と情緒を楽しむ映画だと思う。

そして、なんとなくモヤモヤした想いが残っているので、もう一度、時間があれば映画館で、なければDVDで見直してみたい映画です。


中国語で感想を言えば四文字につきます。

扑朔迷离 (pu1 shuo4 mi2 li2 入り乱れて見分けがつかない)


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ここからは映画の感想というより、双子の話になるけど、私が小学校一年生の時にクラスに一卵性双生児の兄弟がいました。

本当に瓜二つの兄弟で、先生達はまるっきり見分けがつかないと言っていたけど、同級生は全員、二人の見分けはついていたし、別の人格として見ていた。

子供同士だから、分かったのかな。


つい最近、双子の兄弟がいる30代の男性と話をしたけど、結構、興味深かった。

彼らも一卵性双生児で姿かたちは見分けがつかないくらい似ているし、さすがにテレパシーは感じたことはないけど、お互いの思考パターンも同じだったし、嗜好も、得意な学科も一緒だったとか。

あまりにも共通項が多くて、似すぎていた為に高校からは意識的にお互いに距離を置こうと、別の高校に進学し、お互い理数系が強かったので、大学、就職先ともにニアミスは何度もあったけど、最終的に別々の所に進んだそうだ。


「自分の中で一番気持ちが悪かったのは、高校の時、二人で囲碁をやった時ですね。

相手の思考パターンと自分の思考パターンが同じだから、相手の次の手が読めるんですよ。

なので、永遠に終わらない対局になるわけです。

本当にお互い疲れ果てて、二度とコイツとはやらないと思いましたね。」


で、「女性の好みも一緒なの?」と聞いたら、「それだけは違いました(キッパリ)」と言ってたのが、面白かった。