話したい事があると言ったりょうくんでしたが、おもちの事やお料理の話ばかりして、本題に入る雰囲気はありませんでした。
私「今日この後どうする?」
彼「おもちは18時までだっけ?」
私「一応それまでシッターさんが見てくれてるけど、その前に帰ってもいいし。」
離婚の話が怖くてここでも私は逃げようとしました。
彼「話したい事あるけど、家だとお互い言いたい事言いすぎて喧嘩になっちゃうから。」
やっぱりだめか…
私「そうだね。」
彼「アマンでも行こうか。」
相当話しづらいのか、わざわざ個室にしたお寿司屋さんでは離婚について触れてきませんでした。
私達は移動しました。
彼「ごめんね、帰って休みたいよね。」
私「そんな事ないよ?」
彼「でも最近寝不足でしょ、知ってるよ。」
私「無駄な事をしてる時間が多くて、上手く時間を使えてないんだよね。」
彼「無理はしないでね。辛かったら、シッターさん頼んで寝てたらいいよ。」
私「そこまで疲れてないよ、ありがとう。」
彼「それで…話なんだけどさ…」
私「うん。」
彼「こないだ実家帰ったでしょ?もしかしたら親から聞いてるかもしれないけど、離婚について聞かれて話したんだよね。」
私「お義母さんから聞いてるよ。」
彼「そう。それで色々考えたんだけど、まずは全部聞いてくれる?」
私「うん。」
彼「旅行楽しかったよね、旅行中は離婚なんてしたくないと思ったし、この幸せがあれば他には何もいらないと思ったんだよ。だから離婚の話はしなかったし、もうこれでいいと思ってた。今でもその思いはある。でもそれって非日常だからそう思ってたわけで、やっぱり日常に戻るとななこに夜仕事の呼び出しがあると何でこんな時間?って思うし、子供ももうひとり欲しいとも思うんだよ。それで結局前と同じ感情に近づいていってる自分がいる。でも前にも言った通り我慢させたいとは思ってないんだ。ななこには好きな事をやってもらいたい。だから考えたんだけど、別居婚はどうかな?」
私「何それ?婚姻関係は続けたまま別々に暮らすってこと?」
彼「そう。一緒に暮らすと欲が増えてななこに求めすぎちゃうし、悪い意味で近くなりすぎると思うんだ、だから喧嘩も増えるし。現に俺が夜だけホテルで暮らすようになってから喧嘩が減ったと思わない?」
それは私が離婚話に発展させたくなくて、遠慮しながら暮らしているからだ。