こんにちは!
下町ママさん行政書士のたらこです
弊所は、東京の下町・墨田区にある
小さな行政書士事務所です。
新たに何かを始めるに当たり、
「創業融資や補助金を利用してみたいな。」
「お客様との契約や利用規約を作っておきたいな。」
とお考えのお客様、
「終活を始めたいけれど、どこから手を付けたらいいのか分からない…。」とお悩みのお客様へ。
女性行政書士が初回のご相談から最後まで丁寧にサポートさせて頂きます。安心してお気軽にご相談ください。
急に冷え込んだ先週とは打って変わって、
今日は日差しも出て、気温が上がった東京です
現在取り組んでおります、自身にとって初のお仕事。
合併契約書の作成です。
契約書を専門としている私ですが、
会社員として企業法務をやっていた時代から通して、
組織再編に関する契約を取り扱う機会は実はあまりなく、
あるとすれば、会社員時代に担当した外国企業とのJVくらい。
(企業買収をバンバンやっているヤフーのような会社にいると、
そういう機会も多いかもしれませんが、通常の事業会社では
そんなものかも…)
ちなみに、ご存知の方には耳タコのお話で恐縮ですが、
合併手続きについて規定している「会社法」という法律は、
条文数が非常に多く、また、ある手続きの関連規定が飛び飛びに存在しているので、
「条文操作」というほど条文を引くのが大変だったりします。
そんな会社法でも、司法試験受験生時代には、
他の受験生がそうであるように、合併についても
各手続の条文番号も併せて、手続きの流れをそらんじられる程度には勉強していましたが、それから早10年…。
さらに、昨年、初めてこのお話が舞い込んできたときは、
まだ産後1~2ヵ月で、それこそ頭が半分動いていないような
状態…。
合併手続のスケジューリングからご依頼頂いたので、
それこそ、半分寝ている頭を無理やり叩き起こして、
六法の合併の箇所を読み直し、専門書籍を片っ端から購入して、
準備スタート。
スケジュールは、それに少しでも誤りがあれば、
最悪の場合、計画自体が途中で頓挫しかねず、そうなれば、
プロジェクトに関与されている社内外の方々に多大なる影響が
生じてしまいます
…というわけで、
気の小さい私は夜中に急にある事が気になって起き出して調べ始めるほど心配で、何度となく会社法を引き直し、専門書をひっくり返し、カレンダーと睨めっこしながら、スケジュール案を繰り返し精査し、ようやく完成版として納品したものです。
そして、最近になって、
いよいよそのスケジュールに基づいて合併プロジェクトが動き出し、スケジュールの頭のほうにある合併契約書の作成に入ったところです。
プロジェクトが実際に動き出したことで、
担当の役職員さんも、早速、実務上の具体的な課題に突き当たっているようで、契約書作成の傍らで色々とご質問が飛んできます。
そんなこんなも含めて、
合併契約は、単に作るだけ…とはいっても、裾野が広く、
周辺知識を動員しての対応が必要な業務なのだなぁ…と
改めて実感させられています。
というわけで(?)、今後の自分のためにも、
今回課題となった点をメモしておこうと思います
【合併のときに注意すべきポイント】
・公示のスケジュール(※定款上、公示方法を「官報」としている場合には、オンラインでの官報公告の申込可。サイトで、申込日程の目安もチェックできる。)
・登記のスケジュール(※メインの登記手続きは司法書士さんのご担当でも、やはり登記スケジュールその他の登記のイロハくらいは押さえておきたい。)
・会社法上の「簡易合併」の実務(※そもそも無対価合併にも20%ルールの適用があるか、というところから始まり、適用されるとしても、果たしてそのケースにおいて(その会社さんの体制や会計の観点から)「簡易合併」を行うことが実務的に適切なのか?というところまで。)
・合併により消滅会社から契約は承継されるとしても、消滅会社の下請先への支払条件を変更する場合に何か問題はないか?(※合併後に会社規模が拡大すると、下請法の適用対象となる恐れあり。)
・「チェンジ・オブ・コントロール条項」のある契約先への対応(※そもそも取引基本契約書にこういう規定よくあるけど、実際に発動する機会にお目にかかれたのは契約法務やる人間としては嬉しい反面、手続き多いしリスクもあるし大変だなと実感。)
・合併後の役員さんの取扱いについて(※従業員(雇用契約)と異なり、そのまま承継するわけにはいかないので、新会社での選任手続きが別途必要。)
これから合併するよ~!という方のご参考にもなればと思いますが、あくまで個別のケースを前提とした内容ですので、ご利用は自己責任で…!お願いいたします
ちなみに、今回は、100%親子会社間での無対価合併で、
どちらも非公開会社であったため、
かなり軽めで済んだほうかと思います。
これが上場会社間の合併となると、
証券取引所のルールや金商法等も適用されてきますし、
合併対価の株式の割合の計算なんかも緻密にやらなければならなくなってくるので、より一層大変そうですね…
組織再編には他にも多種多様な方法があって、
さらに、目的によってはかなりテクニカルな手法が取られることもあると思います。
それに比べ、今回の合併は非常にオーソドックスで入門編にピッタリの事例で、貴重な機会を頂いたお客様には心から感謝です
というわけで、
今日もお読み頂きまして、ありがとうございました