この動詞「スれる」の表記ルールでちょっと分からないところが出てきましたので記事にしておきます。
まず、辞書を調べると、動詞「スれる」には以下の三つの意味があります。(以下、デジタル大辞泉より引用)
1 物と物とが触れ合って動く。こすれる。「木の葉が―・れる」
2 物と物とが強く触れ合ったり、絶えず接触した状態で動いたりして、痛んだり減ったりする。
3 いろいろの経験をして、純粋な気持ちがなくなる。世間ずれがする。
そして、用字用例辞典では、以前は動詞「スれる」は全て平仮名表記だったのが、「長年の都会暮らしですれてしまう」は平仮名表記のままで、「裾が擦れて破れる」「靴擦れ」は漢字表記となりました。
これからすると、3の「いろいろの経験をして、純粋な気持ちがなくなる。世間ずれがする」のときは平仮名表記、2の「物と物とが強く触れ合ったり、絶えず接触した状態で動いたりして、痛んだり減ったりする」のときは漢字表記になったものと考えてよいかと思います。
では、1の「物と物とが触れ合って動く。こすれる」はどうなのか。
普通に考えれば1、2は意味が近いため同じで3のみが平仮名表記になりそうですが、ここで動詞「スる」の記事を思い出してください。「スる」は、印刷のときは「刷る」、「物に、他の物を強く触れ合わせて動かす。こする」の場合は「擦る」と表記し、そうでないとき、つまり「手をすり合わせる」なんかは平仮名表記でした。
つまり、動詞「スる」だと、「物と物とが触れ合って動く」は平仮名表記なのですね。
「スる」に準じれば「木の葉がスれる」は平仮名ですが、どうなんでしょう……。
考えれば考えるほど謎が深まりますので、もう会社に尋ねます……。