大分昔に、過去ルールにて記事にしたことがある言葉です。
以前は使い分けなしでしたが、今回の改訂で使い分けが必要となりました。
それで、過去記事では「侵入」「浸入」と併せて記事にしていまして、その「侵入」「浸入」の場合の使い分けは、水のときは「浸入」というものだったんですが、この「侵食」「浸食」の場合はそうではありません。
用字用例辞典を見ると、「侵食」は「領土を侵食する」「課税ベースの侵食」と例が示されているのみなんですが、「浸食」には例のほかに括弧書きで「自然現象」という記載があります。
辞書を見ますと、「侵食」と「浸食」は項が分けられておりまして、「浸食」は「流水・雨水・海水・風・氷河などが地表の岩石や土壌を削り取ること。また、その作用」とあり、「侵食」は「他の領域をしだいにおかし、損なうこと」「「浸食」に同じ」とありますので、(意味は全てデジタル大辞泉より)日本語としては、「他の領域をしだいにおかし、損なうこと」の表記は「侵食」一択で、「流水・雨水・海水・風・氷河などが地表の岩石や土壌を削り取ること。また、その作用」はどちらの表記でもよいと考えてよいでしょう。
そして用字用例辞典においては、そのどっちの表記でもよい部分を今回の改訂で「浸食」に変更したということです。
うっかり「侵入」「浸入」と混同して、水の作用の場合のみ「浸食」にしてしまいそうですが、そうではないのでちょっぴり注意しなければなりません。
なお、この変更も、速記協会の2019年12月作成新旧対照表には載っていません。こういうところも注意が必要です。