【新訂にて変更】「私生子」 → 「私生子」or「私生児」 | ある在宅ワーカーのつぶやき

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みそっかす反訳者が、用字用例辞典(日本速記協会)の表記ルールにおける個人的な解釈についての記事を書いています。2020年4月半ばから新訂対応です。たまにテープ起こしについてのそのほかの話も。文中で引用している辞書はこちら→https://dictionary.goo.ne.jp/jn/

これは多分タイトルを見ただけでは意味が分からないでしょうから、まず解説をしますと、「私生子」というのは、読みは辞書によりますと「シセイシ」で、「法律上の婚姻関係にない男女間に生まれた子。民法旧規定では父に認知されない子をいい、認知された子は庶子 (しょし) といった。現行民法ではこの語を用いず、「嫡出 (ちゃくしゅつ) でない子」「非嫡出子」という。私生児。私子」(デジタル大辞泉より)であり、その俗称が、読みが「シセイジ」である「私生児」でありました。

 

それが用字用例辞典では、以前のルールのとき「シセイジ」でも「私生子」表記でありまして、旧ルールのとき、こんなの絶対間違えてしまうみたいな内容の記事を書いたこともあるのですが、新訂の用字用例辞典では「私生子」は「シセイシ」の場合のみの表記となり、「シセイジ」の場合は「私生児」と表記されることとなりました。一般的な表記に近くなって間違いが少なくなった、今回の改訂においては数少ない例でありましょう。

 

ただ、この「私生子」「私生児」は、数年前民法が大改正されて非嫡出子の相続割合が変わったときに少し出てきたぐらいで、それ以外はそもそもそんなに出てくる言葉ではありません。また、そういう内容に触れる会議だったとしても、上記デジタル大辞泉の意味にありますとおり、現民法では用いられない言葉でありますので、出てきたとしても、私の経験ですと「非嫡出子」のほうが圧倒的に多かったです。

よって、この変更により仕事が楽になったわけではないということです。頻出語がこういう変更であってほしかったです。