【新訂にて変更】「はかる」 → 「計る」or「量る」or「測る」or「謀る」or「はかる」 | ある在宅ワーカーのつぶやき

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みそっかす反訳者が、用字用例辞典(日本速記協会)の表記ルールにおける個人的な解釈についての記事を書いています。2020年4月半ばから新訂対応です。たまにテープ起こしについてのそのほかの話も。文中で引用している辞書はこちら→https://dictionary.goo.ne.jp/jn/

ちょっと久しぶりのような気がする、むちゃくちゃ面倒くさい書き分けです。旧ルールでは平仮名表記だったものが、このたびの改訂で何と漢字四つと平仮名での書き分けが必要になりました。しかも、漢字のうち三つは測定関係で意味が似たものです……。

 

さて、「ハカる」を辞書で調べてみますと、いつもこのブログで用いているデジタル大辞泉では一緒くたの項目として書かれています。が、それぞれ意味の冒頭にどの漢字表記をするかが以下のように記載されています。

 
1 (計る・測る・量る)

ア)ある基準をもとにして物の度合いを調べる。特に、はかり・ゲージなどの計測機器で測定する。「体温を―・る」「距離を―・る」
イ)推しはかって見当をつける。おもんぱかる。忖度 (そんたく) する。「己をもって人を―・る」「真意を―・りかねる」

 

2 (図る・謀る)
ア)物事を考え合わせて判断する。見はからう。「時期を―・る」「敵情を―・る」
イ)企てる。もくろむ。「自殺を―・る」

 

3 (謀る)
ア)はかりごとをする。たくらむ。「悪事を―・る」
イ)あざむく。たばかる。「さては―・られたか」

 

4 (図る)
ア)くふうして努力する。「再起を―・る」「利益を―・る」
イ)うまく処理する。とりはからう。「便宜を―・る」

5 (諮る)相談する。「会議に―・って決める」

 

4と5については、今日のお題ではない「図る」「諮る」ですが、こちらは変わらず漢字表記であり、このとおり用字用例辞典のルールでも用います。

というわけで3は「謀る」です。これもそのままですね。

 

それで問題は御覧のとおり一緒くたにされている1のときとよくわからない2のときなんですが、まず1のア)については、これまた辞書の最後に補説の記載がありまして、「「計る」は時間・数、「測る」は長さ・高さ・深さ・広さ・程度、「量る」は重さ・容積を調べる際に使うことが多い」(デジタル大辞泉より)とあります。

用字用例辞典には「計る」は「計時」、「測る」は「測定」、「量る」は「計量」とありますから、この意味でおおむね間違いはないかと思います。

ただし、用字用例辞典の用例の「はかる」の項に、「身長と体重をはかる」とありますので、「量る」と「計る」両方かぶったときなんかは平仮名表記のようです。「叔父」「伯父」の年齢が分からないときと似たような感じの対応ですね。

 

次に1のイ)については、用字用例辞典の「はかる」の項の用例の一部と一致しているので、この「はかる」でよいかと思います。

 

次に2のア)については、辞書の例の「時期をハカる」のほうは、用字用例辞典の「計る」の項に「頃合いを見計らう」とありますから、「計る」でいいのでしょうか……。また、同じく例の「敵情をハカる」のほうは、漢字表記のどれにも該当しなさそうなので平仮名表記の「はかる」でしょうか……。どちらも自信がありません。

本当に何でこれを書き分けるようにしたのかと、担当の方を問い詰めたいです……。