英語の表記が難しいとは、何度もこのブログの中で触れていることですけれども、今回はちょっと毛色の違った難しさを持つ言葉です。
英語の語末の「ty」は基本「ー」で表現するのが用字用例辞典の基本であり、これはそのルールどおりの表記となっております。
ところが、この言葉は一般的には「ー」なしで表記されることが非常に多く、お客様から「ー」なしで表記してくれというオーダーが非常に多いです。そういう場合は、「コミュニティ」と表記することとなります。
そして、それだけなら単純でいいんですけれども、そういう表記の指定がない場合でも、名称の場合は、「キヤノン」の記事でも触れましたように、その名称の表記に従うというのが文字起こしの基本となります。ですから、「コミュニティ」という指定がある場合でも、「コミュニティー」を含む名称の場合は、「コミュニティー」と表記しなければなりません。
ただ、私が実際仕事をした中で多かったのは、それとは逆に、基本は「コミュニティー」と表記するけれども、名称の場合は「コミュニティ」のことがあるというパターンです。
というのが、上記で「一般的には「ー」なしで表記されることが非常に多く」と書きましたとおり、名称として「コミュニティ」が用いられていることが非常に多いからです。例えば条例や部課名、事業名などは、私が今まで仕事をした中では、「地域コミュニティ推進条例」「地域コミュニティ推進課」「コミュニティバス事業」等、「コミュニティー」の表記であるものはほとんどなかったように思います。(もちろんゼロではありませんが)
ですから、以下のような表記も頻繁に発生します。
例)地域コミュニティーの醸成のために、今後とも地域コミュニティ推進課を初めとした庁内関係各課が連携して取り組んでまいりたいと考えております。
しかも現在、地域コミュニティーの重要性について盛んに言われておりますから、この言葉自体大変な頻度で出現します。複数の仕事を並行して行っていると、「こちらは基本「コミュニティー」の表記、あちらは基本「コミュニティ」の表記」みたいなことが発生することもしばしばあり、ぼやっとしていると恐ろしい数の間違いが生じてしまいかねませんから、納品前の名称の場合の表記、お客様の指定の表記の確認が欠かせないものとなります。危険な言葉です。