「かむ」という動詞にはいろいろな意味があります。
まず浮かぶのは、「上下の歯で物を挟んだり、砕いたりする」「歯を立てて傷つける」の意味で使う場合でしょうか。ほかにも、「歯車の歯などがぴったりと合わさる」「水の流れが激しくぶつかる」「くわだて・事件などに関係を持つ」「言葉を言い間違えたり、なめらかに話せなかったりする」など本当にいろいろな意味があります。
用字用例辞典ではこのような場合、表記を分けることがよくあるんですけれども、この「かむ」に関しては全て平仮名表記です。
例)よくかんで食べなさい。
裏ではあの人が1枚かんでいるに違いない。
ニュースキャスターが大事なところでかんでしまっていた。
ちなみに、これらは全て日本語としては「噛」で表記できるものです。
用字用例辞典の項目として「かむ」はこの1項目しかないのですが、ほかにもこの時期よく使う「かむ」があります。
例)はなをかんだ。
「擤」で書ける「かむ」ですね。
こちらの「かむ」は項目としてはないんですが、「はな」の項目に例として「はなをかむ」とありますので、こちらも用字用例辞典では平仮名表記であります。
なお、このとき「はな」が平仮名なのは、もう何年も前に記事にしましたが、いまだに間違えそうになります。いつまでたっても覚えられません。