「夕べ」 or 「ゆうべ」 | ある在宅ワーカーのつぶやき

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みそっかす反訳者が、用字用例辞典(日本速記協会)の表記ルールにおける個人的な解釈についての記事を書いています。2020年4月半ばから新訂対応です。たまにテープ起こしについてのそのほかの話も。文中で引用している辞書はこちら→https://dictionary.goo.ne.jp/jn/

きょうの記事の前者の「夕べ」については、少し前の記事でその表記について、特にスキャンした文書では「タべ」になっていることもあるので注意が必要である旨など書いたのですが、きょうはさらにそこで触れなかった平仮名表記との使い分けについてです。

 

用字用例辞典には、「夕べ」と漢字表記する場合は「夕方」の意で用例は「音楽の夕べ」、「ゆうべ」と平仮名表記する場合は「昨夜」の意味である旨記載があります。

「夕方」の意味で「音楽の夕べ」は何か変じゃないかと思って(音楽の夕べも大抵夜にあったりしますよね)さらに辞書で調べますと、「ゆうべ」の項には「日の暮れるころ。夕方」「何かの催し物が行われる夜」「きのうの夜。昨夜。昨晩」とありました。(全てデジタル大辞泉より)

 

つまりは、

「夕べ」 →「日の暮れるころ。夕方」「何かの催し物が行われる夜」

「ゆうべ」 →「きのうの夜。昨夜。昨晩」

ということです。

 

同じ言葉で夕方と夜とで別の意味を持つのは不思議なことにも思えますが、もともと日本では太陽が没した時が1日の始まりで、その時間を指していた言葉だったのが、夜中の0時が1日の始まりに変わり、「きのうの晩」を意味する言葉に変化したのだそうです。ほんとうに言葉は生き物ですね。