「対象」 or 「対照」 | ある在宅ワーカーのつぶやき

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みそっかす反訳者が、用字用例辞典(日本速記協会)の表記ルールにおける個人的な解釈についての記事を書いています。2020年4月半ばから新訂対応です。たまにテープ起こしについてのそのほかの話も。文中で引用している辞書はこちら→https://dictionary.goo.ne.jp/jn/

通常の会話では余り間違うことのないような気のするこの二つの言葉ですが、間違った表記をよく見かける使い方があります。

それは、科学の実験の関係のときです。

 

まず「対照実験」という言葉がありまして、これは辞書によると「ある条件の効果を調べるために、他の条件は全く同じにして、その条件のみを除いて行う実験。除いたときと除かないときの結果を比較する。医療や統計学では対照試験ともいう。コントロール実験。空(くう)試験。ブランクテスト」(デジタル大辞泉より)というものです。例えば医学ですと偽薬を与えたときがこの場合になります。

そして、この中で特定の条件だけを除いたものは「対照区」あるいは「対照群」と呼ばれることが多いです。これがよく「対象」と表記されています。

 

デジタル大辞泉でも上記の実験関係の言葉は物理・化学のカテゴリーにありましたから、以前記事にした「試料」同様理系でなければなじみのない言葉かもしれませんが、「対象区」だと何か意味がわからないような気がします。

こういうなじみのない言葉は、とりあえず自分が思った表記をネットで検索してみるのが一番です。すると、「●●ではありませんか?」というヒントが表示されることがありますし、そのほかに例えばこの「対象区」で検索してみると、ヤフー検索では正しい表記の「対照区」が1番目に表示されて、正しい表記の確認につながることが多いです。

もちろんその検索結果やヒントが誤っている場合もあるんですが、結構役に立つことが多いような気がしますので本当にお勧めです。