お店は、国分町にある雑居ビルの4FのADLIB。

小さなお店の扉を開けると既に中は15人程の人で埋まり演奏が始まっていた。少し聴くとすぐにでも帰りたくなった。
上手い!
聴いた瞬間というか、演奏者達を見た目で判断したのかもしれないが、プロではないとほぼ分かった。でも、上手い。多分、音がごつごつとしてそれぞれの楽器がそれぞれに主張しすぎているからプロではないと思ったのだと思う。でも、上手い。しばらくは本当に帰ろうかなと思った。

どうやらシステムは、ホスト役の女性が(多分、プロのピアニスト)がグループを事前に指名し、その仕切りのとおりに皆が演奏するらしい。もしも僕の順番になって、この曲をお願いしますとか言われたら困る。非常に困る。事前に声を掛けてもらった時に「2曲しかできなんです~。」と子犬が飼い主にすがるような目でお姉さんにお願いした。
いや、ホントはもう少し出来るのだが、完全に気持ちが負けていた。「俺のピアノを聞かせてやる」なんて到底思えない。「どうか、、どうか僕にもピアノの練習させてもらっていいですか?」くらいのものだ。
そして、何とか「サテン・ドール」と「枯葉」を演奏してきた。音楽やっている人は優しくていい。僕が、あまり弾けないとなると、みんな気を使っていることを悟られないように気を使ってくれる。トランペットの男性も優しかった。普通、ホーンが入るとテーマはホーンが吹くものだが、僕が2曲しかできないと言うと、「テーマ弾きますか?」と聞いてくれる。いや~、気を使ってもらったな。
ピアノは、アップライトピアノ。お客さんからすると完全に後ろ向きになる配置だが、あまり気にならないものだ。グランドピアノの方が細かい音がでるからいいなんて10年早いセリフだ。僕は、アップライトで十分です。
年齢も上は50代から下は20代だろうか?20代の男性は、おそらく昔、大学のジャズ研にいました風の少しいかしたアレンジで演奏している。そんな中で一人白髪のギタリストがいい音を出していた。微妙に遅れそうになるところは素人と分かるが、絶妙のいい音を出している。早くて細かいだけではなく、イイという演奏だ。僕が目指す演奏は、こういう演奏だと思った。
そして隣に座った若いドラマーが話しかけてくれた。この男性は、時々この店に来るらしい。そして仙台のジャズセッションの話を聞いてみると、あまり詳しくないがという前置きがあったが話してくれた。
「多分、このADLIBが仙台では一番レベル高いと思いますよ。」
やっぱりな~。
外に出ると日曜日の国分町のネオンが寂しく灯っていた。