以前間違って届いたKZ AM16のBalanceバージョンが今度こそ欲しいとか、いい加減にTRN Shellが欲しいとか、気になっているもの十数本をピックアップし、11月の大型セールで一気に買おうと計画を立てていました。
そんなリストを作ってまでして11月まで買うのを我慢していたのに、ちょっと安くなっていたからとTRN ORCAを衝動的に買ってしまい、そのリストから消えました。
そして…
また一つ衝動買いで消えました(我慢はどうした)
TRN Starfish
発売された時はそんなに注目していなかったのですが、今後買うイヤフォンを吟味している時に「半開放型」というワードに惹かれてしまったんですよね。どうやらこのイヤフォン、フェイスプレートに穴が空いていて開放的な音がするらしいし、さらにDDが12mmとあのお気に入りのKZ ZNAと同じ大きめなものが採用されているというスペック的には私好みなことが判明。それでリストに入れていたわけなんですが…
Amazonでちょっと安くなってる!いいじゃん、すぐに欲しいじゃん( ̄ー ̄)
TRNのイヤフォンってアリエクでの価格とAmazonでの価格の差が小さいのでとても買いやすいんですよね。そこまで激安っていう価格にはなっていなかったのですが、アリエクのコインが本命を買う時に足りなくなるなるよりはコインがなくてもある程度安くなっているAmazonで買ってしまってもいいんじゃないかと買ってしまいました。私は早く買えばその分得するという考えの人なので早く届くメリットも考慮。
注文した当日夕方に到着。さすAma!
こういう印刷ってなんていうんでしたっけ?ホログラム?マジョーラ?見る角度によってちょっと色味が変わるなかなか高級感ある箱で届きました。大きすぎず、小さすぎずなこの大きさ好き。Conchのはでかすぎるのでこれはちょうどいい。
開ける前に今回買ったイヤフォンの詳細に触れておきましょうかね。
ドライバーは12mmのベリリウムコート振動板を採用したものを1基搭載。ベリリウムコートのってキレがあるのでかなり好きなんですよね。とても期待できます。
ヒトデをモチーフにしたデザインでTRNの海洋シリーズで3番目に発売されたものみたい。生き物のヒトデはあんまり好きじゃないんだけどあのジンベイザメに比べたらマシなデザイン。さて、実物はどんなもんでしょう?開けていきます。
かいふ~
いんやぁ、まじで開けにくかった…最初のスライド式外箱も蓋式の内箱もどっちもめちゃくちゃ精度高い作りになっているお陰であかないあかない。短気な人は破きそうなくらい(笑)まぁ、高級感あっていいんですけど。
そんな開けづらい箱からでてきたのはちいさな黒い柿。この状態だと星とかしいたけっていうよりも柿のヘタにみえません?写真で見るよりも可愛らしく感じる見た目にちょっとほっこり。
中身を全部出してみたら何だこの袋の多さは。そういえばStarfish、格安クラスではなくある程度値段がするモデルでしたね。袋が邪魔なので開けますドーン!
久しぶりのRedチェーン付属ということもあってなんだか懐かしく感じますね。2024年6月にConchを初めて買った時の眺めとそっくり。足りないのはケースと2.5mmのアダプタくらいか。
このRedチェーン、4本目の入手です。見る度に劣化している感じがするんですけど気のせいですかね?ゴワゴワ感がすごい。フックのコート部分も厚みが減ってる気がするしなんでしょうこのコレジャナイ感。やっぱ玉がついていた頃のRedチェーンが一番よかったなぁ。
そして本体。思っていたよりもしいたけじゃないですね。星型の飾りがキラキラしていて結構主張が激しく、しいたけ感は少なめ。まぁ「しいたけ」っていう響きがかわいいので呼ぶんですけど。
しいたけといえば、ファミリーマートのこれもしいたけと呼んで愛でてます。
これ、美味しいし可愛いから好き。ええ、私スイーツおじさんでもあるのですよ。甘いの大好き。
銀の星に気を取られて全く気がついていなかったんですけど、よく見たら穴は真ん中の◯部分だけではなく、星の裏側に更に大きい星型グリルが開いていました。半開放型とかいって真ん中の穴だけみたいだしそんなに開放的じゃないんじゃない?なんて思っていましたがこれなら効果ありそう。めっちゃ大きな穴開いてますね。期待大です。
T-earTipsは最近ちょっと苦手なので、付属の白いイヤーピースをつけ、せっかくなのでこのままRedチェーンにていきなり4.4mmBalance接続で聴いてみます。
どんな音?
ファーストインプレッションはXに「広い音場と余韻多め、深みのある低音が魅力的。ただ、音が多いと団子になる中域と耳に刺さらなくて嬉しいんだけどもうちょい上に伸びても良さそうな高音が惜しい。ただ、濃い目なのに広い音場は随一!好き!」と上げたようになかなか好印象。(余韻が多いと感じたのは気の所為だったみたいで後に感想が変わりました)
ポップスではまぁまぁいい位置(前め)に定位するボーカルと深みと抜けの良い低音が程よくバランスしてさらに、あの星型のグリルのおかげか開放感ある音場が広がってとても気持ち良いサウンドを奏でます。
クラシックでもこの気持ちよさは変わらず、引き締まった低音がばらつきそうな音をまとめ、広いのに散らばらない、豊かで不満のない響きがしてなかなか良いです。大事な中音も凹むことなく十分出ています。
ただ、抜け感とか、クリアさだとかは十分なんですけど、ちょっとだけ気になることが。低音に関してはティンパニやタムタムなどの叩き物は下までストンと抜けるような深い音に感じるし十分出ているのでいい音なんだけれど、ベースなどの動く低音はスッキリしすぎて量感が乏しくちょっと不満に思う人がいるかもといった響き。いい意味で捉えるならばキレがある低音なのでこれを利点と捉える人もいるかも。ちなみに私は嫌いじゃないです。ちゃんとサブベースまででている沈み込む深い低音は好き。
高音は完全に個人の趣味で好き嫌いが分かれそうな音がしていて、私は耳に刺さらないマイルドでちょうどよいように聴こえるんですが、恐らくもっと上の部分が聞こえた方が好きな人がいそうな音がしています。華やかさ抑えめな、イコライザーで超高音域を落としたような音しているんですよね。VX PRO+では弾けるシンバルのシャーンって音がかなりマイルドになっています。これも低音と同じように私は嫌いじゃなく、むしろ好きな音作りになってます。
つまり、かなり気に入りました。無駄に強すぎて響きすぎる低音やシャリシャリした高音ではない音質はまさに私好み。それでいて広い音場なのに薄くならない中音まで持っているのはこのクラスにしてはなかなかすごいと思います。派手な高音じゃないのに広い音場を持つものは珍しいのではないでしょうか。同クラスは何になるのかな、KiwiEarsのCadenzaとかですかね?
2000円クラスのものと比べたら確実に上級な音がしていてちゃんと値段相応だなと思える音ですよ。かなりいいです。何を再生してもそこそこいい感じに鳴ってくれるので万能型と言っていいでしょう。
KZ ZNAと比べてみました
同じ12mmDD搭載ということでZNAと比べてみました。開放感あるのにボーカルがしっかり聴こえるのでポップスを聴く時によく使うお気に入りの一本です。ZNAは12mmDDの他にBAドライバも積んでいるのですが、音色が似ていたので比較してみました。
結論から言ってZNAの方がわずかに好きかもしれないです。開放感とか音の抜け感とかがZNAよりさらによいので聞き心地、気持ちよさはStarfishの方が上なんですが、密度感とか解像感といった音質に関してはZNAの方が私好みの音がしていました。ZNAの方が簡単に言ってしまえば厚いし緻密なんですよね。特にベースラインや歌声はZNAの方が厚くしっかりしているし解像感高いので聴き応えがあります。やっぱりBAを積んでいるというのが解像感アップの要因でしょうか。
まぁ正直言ってどっちも私好みのいい音であってどっちもいいぞと言いたいんですがどちらかといえばって話でZNAの方がわずかに上かなってだけ。どちらも中音が音数増えてくるとごちゃごちゃしだすという似たような傾向にありますし、いいライバルなのではないでしょうか。
雑に向いているジャンルを振り分けるならばロックはZNA、バラードはStarfishがよさそう。いや、でもどっちもどっちだなぁ。非常にいい勝負、両方いい。
KiwiEars Cadenzaとも比べてみました
いい勝負といえばKiwiEarsのCadenzaともなかなかいい勝負しています。そういえばCadenzaもベリリウムコート振動板だし同じ1DD構成でしたね。値段的にもいい勝負。
Cadenzaは10mmDDだからか低音の量感はStarfishの方が強いですが、中高音の解像感はCadenzaの方がシャッキリくっきりしてます。Starfishが中低音を向いた音をしているのに対し、Cadenzaは中高音を向いた音作り。クラシックを聴くならばStarfishの方が私は好き。
そうそう、このStarfish、ヴァイオリンの再現度がめちゃくちゃ高くて驚きました。かなり生々しく再生されるのでヴァイオリンコンチェルトとかを聴くならば結構おすすめです。特にG線の響きが素晴らしいので購入した方はぜひヴァイオリンの曲を再生してみてください。ベリリウムコート振動板の効果なんですかね?ガリっとかギャッっていう擦弦音が妙に生々しい。PRXに匹敵するリアルさがあってすごいです。
TRN全部引っ張り出してきて聴き比べもしてみました
Starfishがかなり良かったのでVX PROとか、VX PRO+とも比べたくなってきて結局全部出して聴き比べしてみたんですが、どれが一番いいとかいうのがなくて一長一短なんですよね。ST1だけは例外ですが…理由はこちらの記事で。
例えばVX PROが値段的には一番高いのですが、実はベースがガンガンでる男性ボーカルが得意じゃないし、クラシックを再生するならばVX PRO+が一番楽しく聞けるし、環境音のようなBGMを再生するのならばV10 PROが一番向いているしと向き不向きがあって面白いんですよ。そんな中に万能型のStarfishが仲間入り。なんかVX PROとかの稼働率下がりそう。
まとめ
そんなにお値段高くないのにキレ良く深い十分な低音に支えられ、ある程度の解像感を持った中高音が広い音場でバランスよく鳴る優秀なイヤフォンです。
マイナス点は響きや余韻といったゴージャスさが控えめなので派手な音作りが好きな人には物足りなく感じるかなといったくらいで致命的な欠点はなさそう。恐らくほとんどの人は不満に思わない、十分豊かな音が出ていると思います。音場が広いのが好きで耳に刺さるのを好まない人なんかは特に気にいるんじゃないかと。
うーん、思っていたよりも私このStarfish気に入ったかも。じわじわと良さに気がつくというかわからされる聴けば聴くほど好きになる、味がするイヤフォンみたいです。
この前べた褒めしたyoloもそうだったけどやっぱり耳に刺さらないってのは重要だし気に入るポイントなのかもしれないです。そのyoloに足りなかった解像感がStarfishにはあるのでべた褒めレビューになってもおかしくなかったんだけど、値段がある程度したのでそこまでテンションはあがらずこんなレビューになりました。実はべた褒めイヤフォンです。Amazon5千円クラスならトップ争いをするくらい。
苦手なジャンルがあるのか?ってくらい何を再生しても不満なく再生してくれちゃうので中華イヤフォン一本目にもおすすめできると思います。しっかりしたケーブル、イヤーピースもついているしそこまで高くないのでちょっと良いイヤフォンが欲しいと思う方はぜひ買ってみてほしいですね。
私好みのいいイヤフォンでした。なんか最近どのイヤフォンもいい音に聞こえてしまって困る。どれも違って全部いい。以上、TRN Starfishのレビューでしたっ!
~おまけ~
よりしいたけになるように画像に着色してみました。なんかめっちゃおしゃれじゃない?

















