最大ヒットである[チェリー]、そして、90万枚を売り上げた[渚]。
順調に、ヒット曲を送り出すスピッツは
アルバム[インディゴ地平線]という傑作を発表、
楽々ミリオンセラーを獲得します。
スピッツが、最も勢いがあった時期です。
アルバムへのヒット曲の収録によって、一段落付いた1997年の
初弾に出されたのが、今回紹介する[スカーレット]です。
1997年1月29日発売。最高位1位。1997年度年間47位。
セールスは約60万枚と、[渚]からかなり落としてしまっています。
アルバム[インディゴ地平線]は、非常に良いアルバムになっていましたが、
シングルはあくまで流行の指標という側面もあり、
作品の良し悪しだけでは測れない部分が多いです。
[スカーレット]の売上が、得てして
1996年までのヒットラッシュが一段落したとともに、
大衆のスピッツへの流行の熱が冷めた事を示すものになりました。
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とは言え、この曲のドラマチックな展開は
ひときわ輝くものとなっています。
使われている音から感じるぬくもりに、
切なさや心にチクリと刺すような痛みを感じるし、
泣きのメロディ、とスピッツの魅力が詰められており、
スピッツの中でも指折りで、私が好きな曲です。
この曲で、なぜ売上がガクッと下がったのか。
流行とはそういうモノ、理解してはいながらも、
もっともっとヒットして、目立つ曲になっても良かったのでは、
スピッツの代表曲として語られても良いのでは、
今、じっくり聴いて、改めて思うことです。
この楽曲について、wikipediaには、
主題歌の依頼が来て、時間がない中作った楽曲。
という内容を目にしました。
こういう、時間に制限がある場合、
いつもではでない能力、力が湧くことがあるそうで、
草野マサムネの中で、そういった未知の力が起き、
この曲を作らせたのでは、と思えました。
草野マサムネの力が爆発的に発揮された曲の一つ。
そう考えると、この曲のシンプルな中に、
多くの魅力を組み込めた事は納得です。
