海老江・鷺洲コース今の昔 | 晴耕雨読 -田野 登-

晴耕雨読 -田野 登-

大阪のマチを歩いてて、空を見上げる。モクモク沸き立つ雲。
そんなとき、空の片隅にみつけた高い空。透けた雲、そっと走る風。
ふとよぎる何かの予感。内なる小宇宙から外なる広い世界に向けて。

先週の土曜日、2023年9月30日、
阪俗研の東野利明会友、澤田耕作会友の3人で
大阪あそ歩「海老江・鷺洲コース」の下見をしました。
お二人と一緒して、「今の昔」を探検しました。
今まで見過ごしていたのが「野田阪神機械工具街」です。


野田阪神機械工具街の*HPによりますと、
昭和32(1957)年から始まった「阪神電車連続立体高架化事業」により、
阪神高架下に各店舗が集まったとあります。
今から66年の「昔」のことです。
  *HP:http://haripura.com
今では、通天閣のビリケンさんが鎮座していたりして他業種ありです。
阪神本線、大阪メトロ千日前線、JR東西線の駅が至近にあって。
交通至便の「野田阪神」の立地の良さを活かしています。
先ず、コースは石畳路地の「今」を見て戴きます。
現在の石畳は、何時の時代の石を使っているのでしょう。
穴ボコがあったりして、足元にご注意ください。
中海老江交差点を渡って東進しますと、郵便局前で
地元の説と異なる「大和田梅田街道」の顕彰碑に立ちます。
この後、暫くかつて井路川が張り巡らされ、
現在も旧家が散在する「昔」の近郊農村の「今」を歩きます。

海老江交差点を東して、新しく建ったマンションの壁を眺めます。
写真図2 マンションのパサージュ

プレートに次の説明があります。
◆坂倉準三氏の建築研究所による名建築の壁面タイルをパサージュに移設。
 この地に建っていた「塩野義製薬中央研究所」は、
 世界3大建築家のひとりとして名高いコルビュジェに師事した
 坂倉準三氏の建築研究所がデザインし、
 モダニズム建築の傑作と賞されていました。
 その建築美を彩った群青色のタイルをパサージュに一部移設。
 この街の風景を彩ってきた美しい記憶を保存します。

写真図3 1961年竣工の塩野義製薬中央研究所写真

◆DOCOMOMO Japanにより
 優れたモダニズム建築の一つとして選定されています。

今から62年前の「昔」、
ボクが鷺洲小学校6年生の時、建った建物が
「モダニズム建築の傑作」とは!
集団登校時、スモッグの先に霞んでいた建物です。
「リバーガーデン福島木漏れ日の丘」は2019年1月に全棟竣工し、
跡形もなく消えた建築物の、
特徴的な群青色のタイルの壁の一部が移設されているのです。

疎開道路を東に行きますとビルの天辺にロケットが見えます。
その名も“RokeT MANSION”です。
写真図4 ロケットマンション

ロケットマンションは、現在は別会社が所有する施設ですが、
テーマパーク及び遊園地の遊具の製造、販売をする
会社の商品をモチーフとしたものと聞きます。

鷺洲交差点辺りから、阪神ホテルが見え隠れします。
大阪キタの中心「梅田」まで「大和田梅田街道」をまっしぐらです。
途中、福島聖天(浦江聖天)に立ち寄ります。
少し脇道からのワンショット。
写真図5 浦江聖天「般若心経塔」の背景

手前中央に聳えるのが「般若心経塔」です。
浦江の一奇観というべきです。
背景として聳える高層マンションは、
右、「シティタワー西梅田」で福島区福島7丁目に2006年12月竣工した50階建て、
左、建設中は「シエリアタワー大阪福島」で福島区福島7丁目で地上30階建、
A3版裏表カラーのチラシに《「うめきた2期地区」隣接》を謳っています。
今までの背景が新時代化します。
「般若心経塔」の聳える「浦江」には、大きなパワーが控えていそうです。

一転、「杜若塚」の佇む浦江聖天は、
松尾芭蕉を仰ぐ一門「蕉門」の聖地でした。
今、静かに水面に影を落とします。
いつ訪ねても異なる趣を醸しています。
来たるべき10月14日は、
そろそろ、桜の紅葉が始まっていることでしょう。
写真図6 浦江聖天「杜若塚」

大阪あそ歩「海老江・鷺洲」コースの
日時は、10月14日(土)13:00出発、
集合場所は、阪神電鉄野田駅南の藤棚の下です。
申込先は、
  ↓ここにアクセス
https://www.osaka-asobo.jp/course960.html
いつものように小人数で対話しながら、
海老江・浦江の「今の昔」を
古写真・古地図でガイドしようと思っています。

究会代表
大阪区民カレッジ講師
大阪あそ歩公認ガイド 田野 登