浦江の表徴とは何なのでしょう。
今春、シリーズ《福島区の「浦江」を探す》では、
浦江の表徴を鉄道駅の
福島区名所案内に探しました。
ここでは図像として有効な3点を取り上げます。
いずれも「浦江聖天」にあしらわれた
「浦江」です。
①地下鉄千日前線野田阪神駅2番出口の
「福島区史跡マップ」の浦江は、
これでした。
写真図1 「福島区史跡マップ」の浦江
「松尾芭蕉の句碑 浦江聖天」と書かれ、
カキツバタの咲く
池に
枝垂れかかる木の下に
「杜若語るも旅のひとつかな」の句碑が
描かれています。
②阪神本線野田駅前広場の
「曾根崎通イラストマップ」の
福島区の「浦江」はこれです。
写真図2 「曾根崎通イラストマップ」の福島区の「浦江」
「浦江聖天」と書かれた下に
池と
カキツバタが描かれています。
あと1点は
③阪神本線福島駅の
「福島区の史跡・旧跡」です。
写真図3 阪神本線福島駅「福島区の史跡・旧跡」
「浦江聖天芭蕉の句碑」と書かれ
左下には
「かきつばた語るも旅のひとつ哉 芭蕉」の句碑と
松尾芭蕉翁の姿が描かれています。
これには、カキツバタの形が描かれずに
句碑の文字に「かきつばた」が見えます。
①地下鉄千日前線野田阪神駅「福島区史跡マップ」
②阪神本線野田駅前広場の「曾根崎通イラストマップ」
③阪神本線福島駅の「福島区の史跡・旧跡」の3点に
描かれている図は
カキツバタ、池、芭蕉句碑、芭蕉翁です。
表徴から見える「浦江」と云えば
芭蕉の句碑が立つ
杜若の咲く池のある場所なのです。
カキツバタは、
池沼や湿地に生じるアヤメ科の多年草です。
明治の末からの急激な都市化による
地形の変貌が著しく、
実態はともかく、
「浦江」は表徴としてのカキツバタを
今日なお伝承しているのです。
この表徴から見える浦江像を溯るに、
少なからず影響を及ぼしたのは
錦絵「浪花百景 うらえ杜若」であると
ボクは推測します。
絵解きをしたくなります。
大阪民俗学研究会代表
『大阪春秋』編集委員
大阪あそ歩公認ガイド 田野 登


