浦江に春を告げる聖天さんの護摩焚き | 晴耕雨読 -田野 登-

晴耕雨読 -田野 登-

大阪のマチを歩いてて、空を見上げる。モクモク沸き立つ雲。
そんなとき、空の片隅にみつけた高い空。透けた雲、そっと走る風。
ふとよぎる何かの予感。内なる小宇宙から外なる広い世界に向けて。

4月の第一日曜は恒例の
浦江に春を告げる聖天さんの護摩焚きです。

写真図1 聖天さんの護摩焚き


今日2016年4月3日、
久々に見物に立ち寄りました。
山門傍らの掲示です。

写真図2 「奉修採燈大護摩祈修」



開運招福 商売繁昌 交通安全
厄除息災 健全生育 合格祈願
          福島了徳院

何やら
山伏によって
矢が放たれました。



写真図3 放矢



四方に放たれます。
悪霊退散でしょう。

最後に鉞のような斧が柴に入れられます。

続けて真剣による魔除けがありました。

写真図4 斧入れ



式次第が進行し、
やがて
法螺貝が鳴り響き
火が放たれます。

春の訪れです。
濛々たる煙の中
般若心経が唱えられます。

写真図5 護摩焚きたけなわ


柴のかぐわしい香りを運ぶ煙を
身にいただく
ご婦人もいます。

藤棚に目をやりますと
今年も楽しめそうです。

写真図6 藤の蕾


鳩にも啄まれずに
しっかりとした蕾がついています。

聖天さんの藤は、
杜若もさることながら
文人にも賞されました。

江戸の文人・蜀山人が享和元年3月25日に
訪れた記事が*「葦の若葉」にあります。
 *「葦の若葉」:吉川半七編輯発行代表、
  1907年『新百家説林 蜀山人全集』巻一、吉川弘文館

●池に杜若さかりなり。
 紫の藤棚あり、
 白き藤も有り。
 白きはふさみちかし。
 花大なりめつらしき藤なり


楽しみですね。
この春もみごとな花を咲かせることでしょう。
「のだふじ開花週間」は
4月18日(月)から29日(金)とのことです。
(「広報ふくしま」平成28年4月号)
「広報ふくしま」の表紙はこれです。

写真図7 「広報ふくしま」平成28年4月号の表紙



昨年4月の聖天さんの藤です。
もうしばらくお待ちください。


究会代表 田野 登