ひとつの単語にいろいろな意味がある単語を「多義語」といいます。
英和辞典をひくと、たまにひとつの単語について、意味がものすごく多く書かれているのを目にすることはありませんか?
「何行書かれてるねん」ってツッコミたくなるようなものとか、電子辞書だと「どれだけスクロールさせるんだよ」っていうような単語です。
単語帳でも、そのような多義語については、意味がいっぱい書いてあることがあります。
英語が苦手な人にとっては、そのいっぱい書かれているのを見るとゲンナリしてしまって「ちょっとこの単語を覚えるのは後にしよう」なんて考えちゃうんじゃないでしょうか?
そして、結局、その単語を覚えるタイミングがそのままずっとやってこないという流れになっちゃうんじゃないでしょうか?
多義語というのは、辞書や単語帳に書かれた意味を全部覚えようとするという方法は、あまり自分としてはおすすめできません。
そんな覚え方をしたって、なかなか覚えることはできず、すぐに忘れていっちゃうものです。
人間というのは、忘れる生き物ですから、何度も何度も見返して覚えていけばいいと思うのですが、多義語についてはその見返す量がほかの単語より多くなってしまいますから、やはりモチベーションが保ちにくいでしょう。
このブログで、自分はかつて「あまりよくばらずに、まずは1つの意味をしっかりマスターするようにすべき」というようなことを書いた記憶があります(自分の単なる勘違いかもしれないですが、勘違いだったらすみません)。
多義語についても、まったく同じだと思います。
「1つの意味だけにしぼって、その他の意味は、いさぎよく覚えずに切り捨てちゃう」という意味じゃありませんよ
「その単語の核となる意味(概念)をしっかり覚える」ということが言いたいわけです。
具体的に説明しましょう。
drawという単語があります。
中学レベルの英単語で、ふつうは「~を描く」という意味で習うと思います。
でも、実はほかにも意味がありまして、こんなにあるんです。
~を引く(引っ張る)、~を引き出す、~を引き寄せる、引き分ける、(息)を吸う、~を受け取る、~をもたらす
これらをすべてふつうに覚えるというのは、なかなかの負担です。
途中でいやになるという人のほうが多いかもしれませんね。
ただ、気づいたでしょうか?
さっき書いた意味のほとんどは「引く」という意味あいが入っていますね?
そうです、drawの核となる意味(概念)は、「引く」という動作なんです。
この核となる意味(概念)を導き出したら、それぞれの意味は、それと関連させながら見ていけばいいわけです。
~を描く…線などを作り出すために、鉛筆とか筆を「引く」
~を引く(引っ張る)…まさに核となる意味(概念)といっしょ
~を引き出す…外へ取り出すために中身を「引く」
~を引き寄せる…集まってもらうために人を「引く」
引き分ける…どっちかが有利になることのないよう、お互いが「引き」合う
(息)を吸う…空気を自分の肺に「引く」
~を受け取る…相手から受けとって自分のところに「引く」
~をもたらす…あることがらによって、なんらかの結果を「引く」
どうでしょうか?
こうして関連させていくと、ひとつひとつの意味を覚えるよりも、はるかにイメージがしやすい形で覚えることができます。
これはなにも英単語に限らず、古文単語の暗記でも応用できる方法です。
なので、多義語を覚えるときは、まずすべての意味について、なにか共通する点はないかを考えてみるべきなのです。
その共通点こそが「核となる意味(概念)」となるわけですから、あとはそれと関連付けて考えればいいわけです。
ただ、「そこを考えるのが難しいんや」「そんな時間をかけるヒマがないほど忙しい」っていうのもありますよね?
本屋さんに行けば(できれば大型書店)、それを示してくれている本とか単語帳が売られていることがあります。
それを助けにしていくという方法もありますから、それを検討してみるのもいかがでしょうか?