●家庭日記(1938年) 監督:清水宏
主な出演:上原謙 桑野通子 佐分利信 高杉早苗 三宅邦子 三浦光子 藤野秀夫 吉川満子 トーチカ小僧
タイトルからは平凡な家庭を描いたファミリードラマのようだが、然にあらず。
修三(佐分利)は学費を出してもらうため、恋人の久枝(三宅)と別れて裕福な家の品子(高杉)と結婚する。
修三と親友の一郎は両親の反対を押し切り、女給上がりの卯女(桑野)と結婚し大連へ。
数年後、日本に帰国した一郎は修三と旧交を温めるが、両家のお嬢さんを嫁にもらった修三の生活を目の当たりにして自らの境遇を不憫に思う。
そうした修三と一郎との関係に久枝が絡んできて、もう話はごったごたの展開に・・・。
おまけに一郎の両親は卯女との別れを迫り、卯女から一人息子の鐘吉(トーチカ)を取りあげようとする。
「鐘吉を渡せ」、「いや、渡さぬ」のカメラ描写は迫力モノ。
「鐘吉はほかの男との間にできた子供」と嘘をついてまでも、我が子を取られまいとする卯女の顔力は恐怖すら感じる。
自殺を図った卯女の命が救われ、なんとなく元の鞘に収まりそうな雰囲気で物語は終わるが、題名の「家庭日記」が意味するところは最後まで理解できず。
この映画は、桑野通子さんと高杉早苗さんと三宅邦子さんの3人が洋装で登場するところが良い。
桑野通子さんの怖い笑顔。

