「大和」「瑞鶴」「長門」…戦没艦船の細密鉛筆画“遺影”描き続ける奉納画家が初の画集 | 戦車のブログ

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菅野泰紀さんの艦船画を初めて見たのは江田島へ行った時の売店で絵葉書でのことだった。

 

私も数枚の絵葉書を買ったのだが、これが菅野泰紀さんの鉛筆画との出会いであった。

 

以下産経ニュースより転載

 

 

 戦前の海軍艦船の精密な鉛筆画を描き、艦内神社の分霊元に奉納活動を続けている鉛筆艦船画家、菅野泰紀さん(34)が初めての画集「肖像-海征く艟(どう)艨(もう)たちの残影」を刊行する。

 

橿原神宮(奈良県橿原市)に奉納した航空母艦「瑞鶴」や住吉神社(山口県下関市)に納めた戦艦「長門」など約60点の作品を収録。

 

 

菅野さんの作品は、当時の記録写真や乗組員の証言などを元に厳密に描かれていて、戦没艦船の姿を今に伝える史料として貴重な1冊になりそうだ。

 

 

靖国神社を皮切りに、分霊元の神社への作品奉納活動を開始

 

 

 

 菅野さんが海軍艦船をテーマに選んだのは7年前。

 

軍人だった祖父に戦艦「大和」を見た時の感動などを聞き、写真集などで海軍艦船を見るうちに、その格好よさに魅かれた。

 

 

 描くために調べる資料で艦内神社の存在も知った。

 

海軍艦船にはすべて、艦名と同じ名前の神社や艦ゆかりの地域の有名神社から分霊された神社があり、航海安全と武運長久をつかさどっていた。

 

 

 「祖国を遠く離れて任務を遂行する乗組員たちにとって、祖国と自分たちをつなぐ絆のような存在だったと思います」

 

 

 そう考えた菅野さんは、4年前の靖国神社を皮切りに、分霊元の神社への作品の奉納活動を始めた。

 

 

 

 翌年は橿原神宮へ「瑞鶴」を奉納。翌々年は香取神宮(千葉県香取市)に練習巡洋艦「香取」と重巡洋艦「利根」、大和神社(奈良県天理市)に「大和」、石清水八幡宮(京都府八幡市)に戦艦「扶桑」と「山城」、建(たけ)水(み)分(くまり)神社(大阪府千早赤阪村)に戦艦「金剛」を奉納した。

 

これまでの奉納先は10社、奉納作品は12点を数える。

 

 

 

あらゆる技法駆使、乗組員の証言反映させ細部までこだわり

 

 

 

 鉛筆画は線を引く、塗りつぶす、ぼかすなどの技法の組み合わせで柔軟な表現を実現する。

 

 

菅野さんは10Bから6Hまでの鉛筆を使い分け、芯を粉にして塗り込む技法も使って、製図のように細密な艦船や海の陰影、シルエットなどを描き上げる。

 

 

 奉納の目的は戦没艦船と戦没者の慰霊。それゆえに記録性にこだわり、当時の乗組員たちへの取材も欠かさない。

 

 

 「戦闘状態を描くなら、この旗を掲げていないとおかしいとか、砲撃の時はこの手すりはたたまれているとか、経験者だけが知っていることを教えられ、作品に反映させています」

 

 

 

「船の肖像画として、また遺影のつもりで描いた」

 

 

 奉納された作品は、乗組員の慰霊顕彰祭などで掲げられる。海軍艦船は国力の象徴であり、決戦兵器として抑止力でもあった、という菅野さんは作品についてこう語る。

 

 

 「船の肖像画として、また遺影のつもりで描きました。

 

 

分霊元への帰還がかなわなかった艦内神社の御神霊、散華された英霊たち、艦船の船霊の慰霊顕彰のために、制作と奉納を続けていきたい」

 

 

 

 菅野さんは今月29日午後3時から、作品にした軍艦で戦った乗組員から経験を聞く「戦いの海の記憶」を近鉄百貨店上本町店(大阪市天王寺区)の近鉄文化サロンで行う。

 

 

「伊勢」の広角砲員、備後政雄さんと「瑞鶴」の噴進砲員、川内勝さんが出席する。参加費は千円。

 

 

申し込みはファクスでアートスタジオ楓へ。

 

 

(産経ニュース)

 

精密な画と迫力ある画が魅力だ。

 

艦艇画を描く人は艦艇に対して愛情が溢れている。

 

戦車をこうやって描く人はいないのかな?