オガンという奇跡 | 3年前のしこうの楽しみ

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先週のダイビングの記憶です。
目的のポイントに潜れた時の話題です。
そこは仲ノ御神島というエリアです。

通称オガンと言われます。
黒潮の洗う孤島というイメージでしょうか。
その周辺にいくつかポイントがあります。

よくダイビング雑誌でも特集されるのでダイバー憧れの地とも言えるのでしょうか。
島自体も許可なく上陸禁止ということで人があまりやってこない所だと推測されます。
そんなわけで大自然の営みが垣間見えるわけです。

ただそれは過酷な環境をも意味するでしょう。
穏やかな日しか行けないイメージです。
波が少しでも高いとNGです。

加えて流れが速すぎると危なくて潜れません。
実際にアクセスできるのは年に30~40回とのことでした。
しかもそこで1日潜ることは滅多にないらしいです。

特にハイライトとも言える東の根というポイントを本当に楽しめるのは稀有であるとのことでした。
イソマグロの群れが目線の高さで見られるのはこの時期だけで潮の時間帯も合わないと遭遇しないそうです。
それが今回は大当たりでした。

何匹いたのでしょうか。
数えられないほどという印象でした。
根に当たる潮にプランクトンが溜まって魚が集まりそれを狙って大型回遊魚がやってくるらしいです。

なのであちこちで捕食シーンが見られました。
観察しながらどこか自然の循環の中に身を置いた畏れを感じたのでした。
ここまでの感動はダイビングでは初めてかもしれません。

人生で最も満たされた潜水になったのでした。
本当に運が良かったと感じます。
ちなみにこの体験は驚きも伴いました。

ある程度スキルがないと連れていってもらえない場所ですが難易度が想定以上だったのです。
流れがとにかく速く自分の非力さを思い知らされました。
エントリーして根まで泳ぐのにアゲインストだったのですが途中から進めなくなりました。

フィンキックをしてもその場に留まってしまうのです。
正直に危機感が生まれました。
このまま力尽きたら流されてたどり着けなくなるというものです。

しかし落ち着いて周りを見回したらみんなは手前の根に着底していたので自分もダイレクトに泳ぐのはやめました。
初めてダイビングがスポーツであることを認識した瞬間でした。
どうであれお陰でこのアクティビティの世界観が変わったのでした。

どこか登山に通ずる何かが得られたのかもしれません。
自分にとって唯一無条件にリピートしたいと思える1本は潜在意識に刻み込まれた気がします。

谷 孝祐
2018.4.24 21:21