意外なナイルの賜物 | 3年前のしこうの楽しみ

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先週のカイロでの合唱に関することです。
実はエジプト入りしてから観光旅行をしながら練習も行いました。
それは3日間にわたり毎日2時間半から3時間ほどのものでした。

ちなみにメンバーの半数強がそこに参加しました。
そして思い返せばこれはどことなく貴重な体験だった気がします。
あまりない機会であることは確かでしょう。

ある意味において本番以上のものがあったのかもしれません。
その初日は大昔に都だった街でした。
巨大な神殿が残っています。

そんな歴史ある土地のホテルレストランが会場でした。
もちろん宿泊もしたわけですが旅行会社が交渉して用意してくれたのです。
どうやらディナーの営業開始を遅らせてくれた様子でした。

そこは窓の外にはナイル川という環境でした。
エジプトの文明はこの川とともに育ったものです。
大地が母だとするならば大河は父というところでしょうか。

その場での合唱はまるでこの国の流れに共鳴するかのようでした。
なんだか不思議な特別感とともに悠久の時を感じたのでした。
2日目はその200kmほど上流の街でした。

そこに浮かぶ小島のリゾートホテルでした。
今度はバーが練習場所でした。
当然ここも川とともにあるような空間です。

天井も高く広い空間でのアカペラは緻密さや正確さを要求したのでした。
異なる雰囲気であるもののどこか前日との連続性が感じられました。
だからこそ積み重ねが起きやすかったのかもしれません。

この日の練習が本番の成功に最も寄与したと考えられます。
3日目の午後には首都に戻り今度は川沿いの日本大使館内で行いました。
随分距離は離れています。

飛行機で1時間半くらいの移動でした。
なのでナイル川の雰囲気も水の綺麗さも違います。
街の大きさも圧倒的に違います。

それでも変わらない何かがあるのでしょう。
これだけ場所が変わっても感覚の一貫性を保ちやすかった気がします。
お陰で想像以上に着実な成果が得られたのでした。

世界一長い川の威厳というものでしょうか。
この一貫性は日本ではなかなか体験し得ないもののように思います。
認識できる以上にこれは潜在意識に働きかけたのかもしれません。

完璧さすら感じさせない共時性の演出に今さら実感を覚えて畏敬の念に取り込まれたのでした。

谷 孝祐
2018.3.11 6:19