文学部心理学科への疑問 | 3年前のしこうの楽しみ

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フロイトの復習からもう一つ受け取ったことがありました。
長年の疑問が解決されたというところでしょうか。
あまり重要視していなかったものでだからこそ放置されていたのかもしれません。

それは心理学が多くの大学において文学部の中にあることです。
自分にとってはこれはなんだか不整合な気がしていました。
これによって心理学が世のメインストリームに出てこないのではないかとも考えていました。

ただこれは単なる投影だったのかもしれません。
もしくは心理学の発端である実験心理学の流れの影響を受けていたのかもしれません。
この立場はどちらかというと医学寄りなイメージです。

心理学の発生は医学と生物学と哲学の間あたりです。
このルーツや黎明期の実験方法から理系であるとも言えるでしょう。
自分が心理学に興味を持ったのも似たような流れでした。

誕生の神秘や緻密な動きをする身体への興味の先にあったわけです。
人がどのような存在かを理解しようとした時に体のみでは説明がつかないことからでした。
もちろん若かりし頃なので先人の研究を追いかけただけでした。

しかしこの流れの中に文学は出てこなかったのです。
というより出てきていることを認識していなかったとも言えます。
そのくらい関係性が薄いように感じていました。

または文学は科学の一分野ではないと無意識的に評価していたのかもしれません。
そういったことが氷解したのでした。
その理由はフロイトが論文に文学作品を多用していることです。

自身の理論を検証するための素材としてその人間ドラマを取り立てたのでした。
ただしくは検証というより周りに理解されるためというマーケティングのような意味合いです。
温故知新というところでしょうか。

確かに古典的名著を事例にすることで一般化しやすい性質はあるでしょう。
わかりやすく日本に当てはめてイメージするなら源氏物語の登場人物の心情をその裏にある欲動や満たされない欲望から解説するというようなスタイルです。
こうなってくると文学を深める先に心理学があるととらえられるでしょう。

ここが理解できたことで今の大学における構造が腑に落ちたのでした。
それとともに自分の中でのイメージとして文学を哲学の範疇に入れることができたのでした。
変化した視点で文学作品に触れてみると面白そうです。

谷 孝祐
2017.6.27 9:59