現代では考えられない状況の高校の吹奏楽部でしたがそれはそれで良い思い出です。
中学の時とは異なり今までに出会ったことのないタイプの人との関わりが生まれました。
これは間違いなく世界を広げてくれたことでしょう。
いうならばかなり破破茶滅茶だったというところかもしれません。
そんな性質の人間がそれなりに見受けられました。
その筆頭がクラリネットの先輩だったわけです。
すでに触れたように暴力的という意味でピカイチでした。
ただそれは音楽へのコミットの強さを表してもいたわけです。
そういう向こう見ずな感じから自分が得るものもあったのかもしれません。
そして違うベクトルにおいて同様の人がそれなりにいた気がします。
極端かもしれませんが普通の人がいないという感じでしょうか。
良く言えば全員が個性的で自由奔放という様子でした。
それは縛られるような部活の風土とはギャップのあるものでした。
振り返れば不思議な環境だったと思います。
対局にある要素がバランスしていたのかもしれません。
なのでこの部活動は窮屈さよりも面白さが優っている印象でした。
高校自体がどこか大学のノリだったからでしょうか。
それを踏襲するように吹奏楽部は音大のノリだった気がします。
もちろんこの文化形成にあたって顧問の影響が大きかったことでしょう。
しかし自治組織のニュアンスが強い集団でした。
マネジメントは生徒だけで行なっていたと言っても過言ではありません。
コンクールに出ない選択権まで指導部という部長を中心とした数名に委ねられていました。
そこに先生は問題がない限りノータッチです。
生徒との関係性は偉大な指揮者という立ち位置でした。
とはいえ大概は指導者の顔色を伺うものです。
そういった微妙な駆け引きによって運営がなされていました。
推薦で入学したからでしょう。
当然のことながら1年のはじめから学年リーダーとしてここにも関わることになりました。
そして部を動かしていくこの体験は興味深いものでした。
もしかしたらこれは大きな財産になっているのかもしれません。
主体的に考えて集団に働きかける力が磨かれたことでしょう。
今さらそんなことを認識したわけですがしっかり受け取っておこうと思います。
谷 孝祐
2017.4.21 23:38